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「1+1+1」が3以上の価値を生む。グループシナジーを最大化する広報の取り組み

デジタルマーケティング(DGM)、メディアテクノロジー(MT)、自動車産業DX(MDX)の3領域で事業を展開するナイルには、コーポレートに加えて各事業部にも広報を担うメンバーがいます。
それは、サービスの内容も、ターゲットも、市場も異なる各領域でステークホルダーの信頼を獲得するには、各事業を深く理解した上での広報活動が欠かせないから。

そして、コーポレートと各事業部で活動している広報担当者がユニットを組み、全員でコーポレート広報(全社広報)に取り組むようになったのは2022年のことです。
以来、各人が「自分の事業」を社内外に愛される存在へと育てつつ、事業部を越えて知恵を出し合う独自の文化が醸成されていきました。

コングロマリット経営ならではのシナジー効果にも期待がかかる「ナイルの広報」について、宮野衆、中村紘子(ルーシー)、今村和世、松中朱李の4名に聞きました。

宮野衆(みやの しゅう)
執行役員 人事本部 カルチャーデザイン室 室長
新卒で株式会社VOYAGE GROUP(現・株式会社CARTA HOLDINGS)に入社。アドセールス担当、マネージャーを経て、コーポレートカルチャー室を設立。2017年10月よりCCO(Chief Culture Officer)に就任し、カルチャー・人事領域を担当。2021年9月にナイルへ入社、カルチャーデザイン室を立ち上げる。同年12月に執行役員へ就任。カルチャー醸成や企業ブランディングを中心に、採用企画、広報、総務、組織活性化などを担当する。

中村 ルーシー 紘子(なかむら ひろこ)
メディアテクノロジー事業部 広報
2015年にナイルへ入社後、自社のアプリ企画・運営やオウンドメディアの立ち上げ、編集、セールスなどを担当。2019年からメディアテクノロジー事業部の広報に携わる。

今村和世(いまむら かずよ)
自動車産業DX事業部 広報
2017年に新卒で入社したベンチャー企業で3年間営業職として従事。その後、2020年3月にナイル株式会社に入社し、自動車産業DX事業部で「おトクにマイカー 定額カルモくん」のサービス広報を担当。

松中朱李(まつなか しゅり)
デジタルマーケティング事業部 マーケティングユニット 広報
アパレル企業にて販売からバイイングを経験したのち、イタリアへ留学し靴職人として2年間を過ごす。帰国後は、メンズシューズブランドにて広報PRやメディア運営等に従事。その後、メディア運営を行う事業会社で新規メディアを立ち上げとWeb編集などを経験し、ナイルへ2022年6月に入社。

「サービス広報」が各事業部のマーケティングを担う

──事業部ごとにサービス広報がいるのは、事業領域が広いナイルらしいですよね。

宮野入社したとき、広報が多い会社だなと思いましたよ。コングロマリット経営の企業でも、200〜300人の規模だと、社長直下の広報室に1〜2名の広報がいて、1人が複数の事業を担当するパターンが多い気がします。

だけど、ナイルはよりアクティブな広報のために、各事業を深掘りしているんです。
マーケティングが強みの会社だからこそ、広報にリソースを割くスタンスを徹底しているんだなと思ったのを覚えています。

<ナイルの広報の種類>

──宮野さんが2021年に入社して、今の広報体制ができたんですよね。それ以前の広報は、どんな体制だったんですか?

宮野コーポレート広報と採用広報は人事が兼任し、あとは今と同じように事業部それぞれに広報がいました。

ただ、コーポレート広報の目的はあまり明確でなく、代表への取材窓口のようになっていたんです。その結果、全社的に重要な広報案件を見落としたり、適切にPRできなかったりすることがあって。

この取りこぼしをなくすために、全社の企業認知とブランドイメージの構築に関わる案件は「コーポレート広報の担当領域」としてはっきりと仕事を切り出すことにしたんです。

各事業部の広報が集まって、みんなでコーポレート広報を担う形にしたのは、より効率良く広報を強化したかったのと、連携によってさらなるグループシナジーが生まれることへの期待があったからです。

宮野衆

──全体像を理解するために、各事業部のサービス広報についても教えてください。

中村(ルーシー)メディアテクノロジー事業部(MT)の広報は、MTの中に複数あるプロダクトの認知形成を担っています。
BtoB、BtoC両方にまたがるサービスを展開しているので、広報のアプローチとしてはデジタルマーケティング事業部(DGM)にも、自動車産業DX事業部(MDX)にも若干被るところがありますね。

特徴的なのは、メディアに出て一般の認知形成を図るだけでなく、広報の視点を持って自社が運営するWebメディアを強化する方法を模索していること。
具体的には、従来の広報の仕事であるメディアへのアプローチを継続しながら、実際に施策を展開するディレクターとしての役割も担っています。

メディアとのリレーションがある私が現場に入ることで、コンテンツ作成を担う編集チームと並行して、検索エンジンにおける順位改善や上位を安定して確保できたり、ドメインの強化につながる動きができたりしています。

松中MTでは調査データもほぼ毎日のように出していますよね。DGMでも、独自で調査したデータの見せ方や使い方を、よくルーシーさんに相談しに行っています。

ルーシー調査データを作ってメディアに提供する取り組みですね。
自社のサービスや新機能を直接的にPRする以外にも、自社で作った独自のデータをメディアに活用してもらうことによって、データの提供元としてナイルの名前を知ってもらうことができます。

<MTで調査したレポート記事の一部>
【Twitter調査】他SNSへ移行を検討した人は33.5%、前回から4.4pt増加 検討理由にAPI有料化の影響あり(Appliv調べ)
専業主婦・主夫の5割弱がレトルトやお弁当に頼ることに罪悪感 食費・手間をかけていない・栄養の懸念が要因に(かんたん宅食ガイド ラクタさん調べ)

事業の成長に過去の“私”をどう生かすか。未経験広報のキャリアチェンジ

中村 ルーシー 紘子

──そういった形でも、異なる事業部で協力しているんですね。MDXはどうですか?

今村MDXはBtoCの広報で、企画の立案とメディアリレーションがメインですね。
昨年の2022年は、「おトクにマイカー 定額カルモくん」は新サービスや新機能がほとんどなく、広報がブーストできる機会が少なかったので、ニュースリリースにも注力していました。

ニュースリリースは、ルーシーさんの調査データの二次利用と同じで、自社を直接的にアピールしない手法です。
メディア側が使いやすいネタを探して提供し、アレンジして使ってもらうことで、提供元として少し名前を出してもらうんです。

2020年には「コロナ禍で密を避けるためのマイカー利用が増加」、2022年には「半導体不足による新車納期遅れで、中古車サブスクが人気」という話題をメディアに提供したところ、追随する記事が多く出て、ムーブメントが形成されました。
広報からトレンドを仕掛けていけるんだという、ひとつの成功体験になりましたね。

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今村和世

──MDXはキーメディアへの露出も増えていますよね。特に、テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」で紹介されたのは、ひとつの大きな成功だと思います。

宮野広報なら誰でも取り上げられたいと思う番組ですからね。今村さんが取り組んできた3年の積み重ねがあってこそです。

今村WBSに出ることをゴールに、最初に出るメディアは慎重に選定しました。あとは、テレビ東京の制作の方に直接リリ―スを手渡すための人脈づくりですね。普通に送ったら埋もれてしまうので。

同じように、MTでも深夜のTV番組に事業部のメンバーがゲスト出演したこともありましたよね。

ルーシー 2022年はApplivがサービスを開始して10周年だったんですけど、メディアの強化に注力していたので、メディア露出を仕掛けられる新たな話題を打ち出せなかったんです。

それで、アプリ専門メディアとしての実績とメディアリレーションを活用して、日本テレビ「午前0時の森」の「仕事・生活が効率化するアプリが知りたい」というテーマの回に、メインゲストとしてApplivのメンバーを呼んでいただきました。

そこで、Applivが10年続いているアプリに詳しい専門メディアで、多くのユーザーにご利用いただいているというアピールにつなげることができたんです。

──なるほど。メディアへの露出は、ナイルのメンバーとしてもうれしいですよね。

ルーシーそうですね。自社サービスのアピールにつながるだけでなく、家族や友人、他社さんに「見たよ」「すごいね」と声を掛けてもらえて、メンバーがサービスに誇りを持てるようになるのもうれしいところです。

たとえひとつの事業部のサービスが取り上げられたとしても、ナイルとして出るわけですから、全社広報としても価値がありますよね。

松中DGMとしてもいろいろ出たいメディアはあるので…。これからがんばります(笑)。

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──2022年のDGM広報の取り組みとしては、マーケターの大澤心咲さんが出した書籍「ひとりマーケター 成果を出す仕事術」のプロモーションが印象的です。

松中インパクトのあるキャッチコピーがあるといいと、書籍の担当編集者さんからアドバイスをいただいて。Amazonランキング1位を目指してプロモーションをしたんですが、書籍のPRは初めてだったので、広報の皆さんにたくさん相談させてもらいました。

たぶん、誰よりも全社の広報ユニットを頼りにしているのが私だと思います。
ルーシーさんと今村さんの豊富な知見があるから、困り事があっても社内で完結できる。私が正面切って行ったら門前払いされるような案件も、お2人の伝手があったからできたことがありますし。

ご自身の事業部には直接的なメリットがないのに、DGMのために進んで動いてくださることには、感謝しかないですね。

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松中朱李

宮野広報室での連携でいうと、2023年に入って3月以降、ChatGPTを始めとする生成AIに関する広報活動は、とても機能しているなと感じます。

経営側の意向を踏まえがら、「このような制度・表現のほうがよりメディアが取材したくなる」という今村さんの観点を取り入れたり、イベント開催に強みがあるルーシーさんが共同開催イベントのディレクションを行ったり、松中さんがDGMの新サービスのリリースを続々と出したりなど、頻繁に連絡を取りながら一連の波を作ることができました。

生成AIを取り入れるスピーディさ、活発さもあって、「ChatGPTを最も活用している会社」としてTVに取り上げられました。

ナイルの生成AI活用の現在――今どんな取り組みを行っている?

──広報ユニットとしては、定例ミーティングなどでコミュニケーションを取っているんですか?

松中コーポレート広報としての定例ミーティングに加えて、先ほどもお話したように「本を出すから助けてください」みたいな感じで、緊急ミーティングを開催させていただくこともあります(笑)。

ルーシー密に情報を共有し合うことで、自分の事業部でネタがないときも他事業部のキャンペーンや新サービスの情報を提供することで、メディアさんとのあいだをつないでおけるメリットもあるんですよ。

生成AIに関する広報など、関係者や影響範囲の大きいプロジェクトでは、各々の得意分野を活かして役割分担したり、フィードバックし合っています。

今村広報ユニットとしてつながることで、他事業部の視点で意見がもらえたり、MDXではハマらなかった企画が全社で活きたりすることも多くて、ありがたいです。

──宮野さんの期待通り、シナジーが生まれているわけですね。広報ユニットとしては、ほかにどんなことに取り組んでいますか。

宮野広報ユニットを作ったもうひとつの理由に、緊急度は少ないけど重要な、いわゆる第2領域への対応強化がありました。
具体的には、危機管理広報の方針策定・サスティナビリティポリシーの策定と公開・個人発信力の強化の3つです。

サスティナビリティに関しては、コーポレートサイト刷新に合わせて取り組みを落とし込み、強化ポイントとして地方創生などを盛り込みながら、会社の方針を決定しました。

個人発信は、執行役員のTwitter発信、noteを活用した新入社員によるエントリ発信などを強化しています。
危機管理広報は、炎上をはじめとした起こり得るリスクを想定し、広報と経営陣のメディアへのスタンスを決定しました。

ルーシーこれまでは、経営陣が作成した危機管理のルールだけで、広報視点で考えた対応シミュレーションはなかったんです。

そういった中で、広報として万が一に備えた打ち手を全部出して、役員会に参加して提案するところまで自分たちでやれたことは良い経験でしたね。
意思決定の現場に関われましたし、やって良かったと感じています。

目指すのは、他社から「うまい」といわれる広報集団

──ますます広報の存在感が強まりそうですね。最後に、これから目指す広報の姿について聞かせてください。

宮野コーポレート広報の立場でいうと、ナイルの認知度はまだまだ低い。なので、しっかり認知を獲得して、「ナイルって最近よく聞くな」「いろいろやっていておもしろそうだな」と思ってくれる人を増やしたいですね。

今村会社としての認知は一番のミッションですよね。
もっといえば、「定額カルモくん」がナイルのサービスであること、ナイルにはほかにデジタルマーケティング事業、メディアテクノロジー事業があることまで、広く知ってもらえたらうれしいです。

ルーシー各事業部の話題を、全部をつなげたいですよね。
どのサービスを見ても、「これはナイルだね」「ナイルといえばメディアと自動車とデジタルマーケティングだよね」と皆さんにわかってもらえる状態を目指したい。

松中すべての事業の成長の根底に「マーケティングのプロ集団」としての強みがあり、だからこそクライアントのあらゆるサービスを成長させられるというイメージづくりもしていきたいですね。

宮野より中長期的には、他社からベンチマークされる広報集団になりたいなと。
「ナイルって広報がうまいよね」といわれるように、ワクワクするような仕掛けをしていきたいと思っています。