NYLE ARROWS

検索
採用サイト

悩めるWebマーケティング担当者の道しるべ、「10倍はかどるSEOの進め方」は“10年つかえる”本になる?

SEOといっても、何から始めたらいいのか…と悩むマーケターは少なくありません。
「集客するならSEOがいいんでしょ?」という組織の期待を背負ってSEO対策に乗り出したものの、その難度の高さに苦しんでいる話をよく耳にします。

SEO対策は何をしたらいいのか?
なぜ、SEOはうまくいかないのか?

そんな疑問に応えるべく、DX&マーケティング事業部のWebコンサルタントとして、さまざまな企業のSEOコンサルティングを数多く担当し、現在は同事業部のマーケティングユニットに所属してセミナー登壇やYouTubeチャンネル「ナイルTV / WEBマーケティング相談室」に出演する青木創平が、著書「10倍はかどるSEOの進め方」(技術評論社)を上梓しました。

取締役・土居健太郎が2015年に発売してロングセラーとなっている「10年つかえるSEOの基本」(技術評論社)と合わせて読むと、SEOの実務を行う上で必要なベースが一通り理解できます。

そこで今回は、ナイル発のSEO本著者対談として、青木の著書にまつわる話や、ここ10年のSEOや検索環境の変化について、土居と青木に語ってもらいました!

青木創平(あおき そうへい) Twitter:@sohei_tim_aoki
ホリゾンタルDX事業本部 DX&マーケティング事業部 マーケター
立教大学大学院修了。1年のインターンを経て2019年に新卒入社。Webコンサルタントとして大規模ECサイトなどサイト規模の大きいものから、BtoBサービスサイトなど幅広く対応する。
特に技術的SEOへの造詣が深く、複雑なSEO案件や、100ページを超えるSEOガイドラインの執筆経験も。現在はマーケティングユニットでSEO支援だけでなく、ウェビナー運営やFacebook広告運用、メルマガ運用、サイト改修なども行う。趣味は横浜DeNAベイスターズの応援とウォーキング。

土居健太郎(どい けんたろう)
取締役 人事本部 本部長
2008年に東京大学工学部中退後、フリーターとして活躍。2009年、成り行きでナイル株式会社に入社。2010年より事業部長としてデジタルマーケティング事業の立ち上げを牽引。2015年、同社取締役に就任。2016年からはメディア事業部に異動、自社サービス「Appliv」サービス責任者を経て、同事業における新規サービスの立ち上げを担当。2021年1月に人事本部 本部長に就任、現在は人事責任者として主に採用と組織開発を担当。著書に「10年つかえるSEOの基本」(技術評論社)がある。

「10倍はかどるSEOの進め方」の商品ページはこちら
「10年つかえるSEOの基本」の商品ページはこちら

SEOを担当すると、SEO以外のことでも困ることが多い

──昨年(2022年)発表した電子書籍「SEO初心者が知っておきたいGoogle機能の基礎知識」に続いて、今度は書き下ろしとなる書籍が完成しましたね。本の装丁やタイトルから、土居さんの著書「10年つかえるSEOの基本」の後継本と位置づけていいのでしょうか。

青木土居さんの著書は2015年に発売されていますが、「10年つかえるSEOの基本」というタイトル通りに、発売から8年経ってもまだ「SEOの基本を知るのに最適な1冊」として多くの人に選ばれるロングセラーです。

今回の出版の話も、そもそも土居さんの本の売れ行きが好調であることがきっかけでした。
この本がこれだけ需要があるということは、SEOについてもっと知りたい人がいるんじゃないか、われわれに伝えられることがあるんじゃないかということで話が進み、MarkeZineでの連載を電子書籍にまとめた経験がある私に白羽の矢が立ったわけです。

もちろん土居さんの本とは少し着眼点が違いますし、セットで読んでもらえるといい内容に仕上がったため、タイトルやデザインを踏襲しました。

Business
事業

SEOの楽しさを伝えたい!新卒4年目のマーケターが初の自著に挑戦した原動力を明かす

──土居さんの本は、SEOの概念について説明されている一方、青木さんの本はSEOの実践編といえる内容になっていますね。

土居「10年使えるSEOの基本」は、SEOは何のためにあるのか、どうやって取り組むといいのかといった考え方をまとめたものです。
一時的に使えるテクニックではなく、トレンドやアルゴリズムが変わっても使える基礎知識を盛り込みました。

青木「10倍はかどるSEOの進め方」は、おっしゃる通り、より実務寄りの本です。

僕もかつてそうだったんですが、SEOを始めたばかりだと、まず出てくる単語がわからないんですよ。勉強してやっと単語が理解できるようになっても、今度はその重要度がわからない。
そして、狙っていたクエリで順位が上がっても、肝心のコンバージョンが発生しないなど、点と点がつながらなくて苦しむことになりがちです。

あとは、実務でSEOをやっているとそれ以外のこと、例えばSEOを行うにあたっての予算交渉や目標設計、他部署との調整とかでしんどくなることが意外と多いんですよ。
そのあたりは、これまであまり語られてきていない話だと思うんですが、知っているか知らないかで仕事の効率がまったく違ってくるところなので、ふれておきたいなと思いました。

青木創平

──確かに、実務を行う人以外の、周りの人たちにSEOの理解がなくて困ることは多々あると思います。

青木そうですよね。なので、SEOをやる上で必要な知識を体系的に理解するとともに、日々手を動かす中で困ることや悩むことをピックアップして伝え、実務にすぐ活かせる本になったと思います。

ある日突然SEO担当者に任命された方や、少ないリソースで試行錯誤している方に読んでほしいです。

──SEOの実務における百科事典みたいですよね。執筆にあたって、土居さんに相談することはあったんですか?

土居青木が本を出すことは、ほかのみんなと同じタイミングで知りました。

──え!そうなんですか?

青木実は、本の執筆の話は2年前くらいにいただいていたんです。でも、ターゲットや内容の照準がなかなか定まらなくて、書き始めるまでにかなり時間がかかって…。

土居さんには、本の内容についての相談というよりは、「本を出すことになったけど、ちょっと悩んでいる」って話を結構前にしたくらいで、一人で悶々と悩んでいる期間が長かったですね。

なので、読んでみてどう感じたか、ここで土居さんに聞いてみたいです(笑)。

土居Webコンサルタントとして大規模なECサイトやBtoBサイトに対応した後、自社のマーケティング全般を担当してきた青木くんの、これまでのキャリアが活きているなと思いました。

SEOにしっかりリソースを割くだけの予算はあるけど、社内の理解が不足している中でSEOを任された人や、何から手を付けていいかわからない人が日々悩んでいることに対して、的確に答えてくれている感じがしますね。

SEOの話っていうより、「SEOの実務の中で何をすべきか」って話が中心で、まさにナイルの顧客をイメージして書いているんじゃないかと。

青木そうですね。まさに、僕の経験からそこにターゲットが絞られていった感じです。

SEOの基礎知識ならそれこそ土居さんの本があるし、技術的なTips集みたいなものはWeb上で拾えるんですけど、そもそも勉強の仕方がわからない人も多いと思うんです。

社内全体のSEOの理解度が低いことが原因で施策が進まなかったり、なかなか成果が出なくて肩身の狭い思いをしていたりするケースでは、担当者が知識をつけるだけでは状況を打開できないこともありますよね。
そういったタイミングで、この書籍が気付きにつながればいいなと思っています。

迷えるWebマーケティング担当者に知ってほしい3つのこと

──本の内容についてもう少し詳しく教えてもらいたいです。青木さんが「ここは絶対に読んでほしい!」と思うポイントを紹介してもらえますか?

青木読む人によって刺さる内容は違うと思いますが、本を通して伝えたいこと、知ってほしいことは3つあります。

1 SEOが必要かどうかを判断すること

これは土居さんの本にもありますけど、ユーザーが検索しようと思わないものとSEOって相性が悪いんです。

自社の製品・サービスの認知度が低く、製品・サービスが提供できるソリューションに興味を持つ人の数が少ないスタートアップなどは、SEOをやる意味があまりないと思っています。

やみくもにSEOに手を出すのではなく、自社の現状に応じて集客を強化する別の方法を検討してみてはどうですか、ということを提案しています。

2 SEOに必要な人・リソースを把握すること

2つめは、SEOをやる上でそろえるべきリソースについてです。

あらゆるWebマーケティングのタスクを一人で背負っていると、どうしても限界が早く来てしまいます。

分業の仕方や、外部の力の活用の仕方についてシーンごとに解説していますので、自分の立場に置き換えてイメージしやすいかなと思います。

3 サイトリニューアルは本当に必要か

Webコンサルタントをしていた頃によく聞いたのが、サイトリニューアルでセッションやコンバージョンが悪化したという話でした。

安易にサイトリニューアルをすると、深手を負う可能性があることを伝えたいです。

また、最終章で紹介しているナイル社内でのSEOへの取り組み事例もぜひ見てほしいですね。

Appliv」と「カルモマガジン」という2つの自社メディアをどう運用しているのか、担当者へのインタビューとともに詳しく紹介しています。

Business
事業

Appliv10周年!ユーザーとアプリの幸せな出会いを模索した日々を振り返る

Business
事業

1年でオウンドメディアの自然検索流入1,000%増、アシストCV10倍。社内に知見と経験があることのメリット

約10年経っても、SEOの本質は変わっていない

──土居さんの本が発売されて約8年経ちます。今もSEOの基礎知識において普遍的な存在だというのは、改めてすごいことですね。

土居発売した当時は、質の低いスパム的なコンテンツをたくさん作って、アルゴリズムの盲点をつくテクニックで上位表示を獲得するブラックハットSEOと呼ばれる手法が隆盛を極めていた時代から、「コンテンツの質」が問われる時代への過渡期でした。

よって私の本でも、被リンクを大量に設置したり、コピーコンテンツを量産したりして順位を吊り上げるやり方がだんだん通用しなくなっているということを書いたんです。

ほかのサイトより優れた情報、独自性の高い情報を盛り込んで、検索する人の視点に立った「濃く、狭く、深い」コンテンツを作るべきだと提唱し、その方法を解説したことによって、「10年つかえる」が現実味を帯びつつあるのかなと。

青木当時から、SEOの本質は変わっていないですもんね。

一方で、検索はChatGPTでかなり変わったと思っていて。
Googleはちゃんと単語で検索しないといけないですけど、ChatGPTは文章をそのまま入力するだけで意図を読み取って回答してくれるじゃないですか。
これから、生成AI慣れした人が増えていくにつれて、Google検索も少しずつ変わっていくかもしれませんね。

X(旧Twitter)やInstagramも検索の派生的な存在として使われていますし、今後リテラシーのある人は用途に応じて検索を使い分けていくようになると思います。
といっても、ChatGPTはインサイトを考え抜く能力は持っていませんし、Xやインスタは得意分野が限られています。

Googleの収益源の大部分は検索結果に関連して表示される広告ですから、コンテンツを提供するWebサイトの運営者を切り離すようなビジネスモデルにはしないでしょう。
結局、最も信頼できるのはGoogle検索だと僕は思っています。

土居検索チャネルが多様化して、これまでGoogle検索だけを利用していた人がXやインスタなどのSNSやChatGPTに流れているのは確かです。

それでも、検索に対する返答のアルゴリズムを最も真面目に追求してきたのはGoogleだと思いますし、10年前に比べると驚くほど検索結果の最適化が進んでいますから、質の良い情報にいち早くたどり着ける可能性が非常に高いですよね。

ユーザーの検索行動がどれだけ煩雑化しても、Googleを通じたトラフィックは今後も絶対的な価値を持ち続けるんじゃないでしょうか。
「SEOは死んだ」と何度もいわれ、ChatGPTの登場時にも同じような声が上がっていましたが、まだピンピンしていますからね(笑)。

土居健太郎

青木となると、以前の私のように、検索するユーザー心理を考えて眠れなくなる担当者はこれからも減らないでしょうね。
あの頃はつらかったですけど、SEOでの仮説検証がすっかり習慣化して、その後の仕事に活きているのも確かなので、やりきって良かったと今は思います。

土居さんは、SEOへの取り組みがキャリアに生きている実感はありますか?

土居ありますね。まず、組織づくりとSEOは非常に近しいと思っています。

企業経営や組織をする際は、予算などの不確実性の高い要素を考慮して、短期的な成果を追いながら中長期的な取り組みを遂行していかなくてはなりません。
対症療法としてすぐに効く手を打ちつつ、根本的な自力を上げていくSEOを彷彿とさせますよね。

ビジネスにおける考え方の基礎や仕事のスタンスは、SEOに取り組んだことによってより強固なものになったと思います。

──最後に…青木さんの「10倍はかどるSEOの進め方」も、10年使える本になりますかね?

青木内容的には「仕事の進め方」に近い話なので、本当はもっと楽なやり方が出てきて変わっていくといいんでしょうけど…。

土居SEOのような不確実なものを扱う社内担当者がつまづきやすいポイントと、その対処法を経験に即して紹介している形だから、長期性はあると思いますよ。

もし、10年前にこれが出ていたとしても、あまり違和感なく受け入れられるんじゃないかな。10年経ったら、また対談するといいかもしれない(笑)。

青木そうですね!自分の経験を活かして「明日からのSEO実務」に困っている人に向けて書いた本なので、悩めるSEO担当者の人にぜひ役立ててもらいたいです!

※本記事は2023年11月20日に公開しており、記載情報は現在と異なる場合がございます。