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Appliv10周年!ユーザーとアプリの幸せな出会いを模索した日々を振り返る

2022年8月1日、ナイルが運営するアプリ情報メディアAppliv(アプリヴ)10周年を迎えました。試行錯誤を重ねながら積み上げてきた10年の経験や知見は、新しいApplivの在り方の模索や事業領域の拡大につながる種として大切に息づいています。
今回は、成長の立役者である5名に、Applivの10年の歩みを振り返ってもらいました。

マーケティングDX事業本部 メディアテクノロジー事業部

針替健太(はりがえ けんた):執行役員 メディア事業 ゼネラルマネージャー
丸山歩(まるやま あゆみ):Webデザイナー
小泉翔(こいずみ しょう):編集長
打田晃啓(うちだ あきひろ):広告運用
岩崎大輔(いわさき だいすけ):エンジニア

価値あるコンテンツ作りにフォーカスした創成期

ナイルの主力サービスのひとつである「Appliv」

――まずは、Applivが立ち上げの経緯について振り返ってみましょうか。

針替

Applivがリリースされた2012年は、ちょうどiPhone5が発売されたタイミングで、これからスマホ普及に伴ってアプリ市場が伸びてくるはずだという確信から、使い勝手が今ひとつだったApp StoreやAndroidマーケット(現・GooglePlay)の領域に勝機を見出しました。

アプリストアの検索性が低く、良いアプリが日の目をみないまま埋もれてしまう状態だったので、Applivでそれを解決しようとしたんです。

また、それまでナイルが培ってきたSEOの知見を活かして、自社サービス立ち上げに挑戦しようとした背景もあります。

――針替さんは、2012年のApplivがリリースされたタイミングから関わっていますが、当時はどんな役割だったんですか。

針替

当時はインターンとして、アプリの分類をしてタグ付けをすることから始めました。煩雑な手作業をもっと効率化したいとエンジニアさんに依頼して、自動タグ付け機能を実装してもらったら、しっちゃかめっちゃかになって全部やり直した記憶があります(笑)。

リリースしてすぐは、当初思い描いていたような結果が出なくて、低空飛行が続いていました。

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――最初はうまくいかなかったんですね。

針替

いろいろ試行錯誤して、改善しながら…という感じですね。うまくヒットしたのは、ページが階層構造になるようにアプリを分類してグループ化したカテゴリー構造化施策でした。

1~2ヵ月で一気に構造を変えてみたら、そこから一気にトラフィックが伸びたんです。

リリース当時のAppliv
針替

ただ、最初は収益のことは考えず、とにかく価値あるコンテンツ作りをして、ユーザーに使ってもらうことを重視していました。レビューを全文読まなくてもアプリの魅力が伝わるように構成を工夫して、わかりやすさを追求して。とにかく、「Applivを使えば、欲しいアプリが見つかる」というユーザー体験を目指してきました

毎日のように新しいアプリがリリースされていたので、ライター8人で1日160本の記事を上げられる体制も構築したんです。それで、本格的に収益化を目指すようになったのがリリースの翌年からですね。

――2013年に、独自の広告システムであるAppliv Adがリリースされたのがきっかけでしょうか。

丸山

そうですね。Appliv AdはApplivにとって初めてお金を扱うシステムだったので、絶対に失敗できないプロジェクトでした。

なので、検証やテストを繰り返して、ああでもないこうでもないとみんなでひたすら話し合って、手書きでワイヤーフレームを書いて、ひたすらデザイン、コーディングする、みたいな進め方でしたね。

――その当時ならではですね。そうした地道な取り組みを経て、サービス的に「いけるな」と感じたのはいつ頃でした?

小泉

私が入社してすぐ、Applivの3周年で、高い成長率を盛大に祝った記憶があります。とはいえ、SEOの知見があるナイルがやっても、メディア育てるのに丸1年、収益を生むのに2年かかっているんですよね。

最初は本当にユーザーを確保するところにフォーカスして、地道に改善を重ねてきたんだろうと思います。

コンテンツをとにかくブラッシュアップすることや、他サイトから紹介リンクをもらうためのスキーム構築など、オペレーションに相当なリソースをかけてきました。SEOの知見があるから簡単にできたと思われるのですが、裏側ではかなり泥臭く取り組んでいたんですよ。

針替

ユーザー体験を損なわないようにライター研修をしたり、アプリとカテゴリーの適切な紐付けを行うために「カテゴリーマスター」という社内資格を設けて試験をしたりもしました。

打田

カテゴリーマスター、ありましたね!90点以上取らないといけなくて、かなり大変でした。

独自の研修資料の一部。カテゴリマスターへの道のりは長い

挑戦と失敗の繰り返し。暗中模索期も続いた

――ユーザー数も伸びて、収益も上がってきたようですが、それからも一筋縄ではいかなかったのがApplivの歴史ですよね。

針替

そうですね、挑戦しては失敗して…の繰り返しです。2015年にアプリ版Applivをリリースしたんですが、その後撤退してWebに一本化しています。

アプリ版を立ち上げた当時は、Appliv自体のユーザー数が月間600万人を突破していたので、Appliv上でアプリに誘導することで広告費をかけずにダウンロード数がすごく伸びました。

ただ、その少し後に、公式ストアがメディアのようにコンテンツを入れるようになったり、ガイドラインの変更があったりして、Applivアプリが提供しようとした価値がうまく機能しづらくなってしまったんです。

ダウンロード数も伸びていたのに、中長期的に立ち行かなくなりそうだったので、アプリ版は撤退することになりました。

――さらに、Applivは海外展開をしたこともありましたね。

丸山

アプリレビューサイトを世界規模で展開しようとしているプレイヤーは、日本はもちろん海外にも存在していませんでした。

それで、App Store、Google Playに続く第3のアプリマーケットを目指すために、アメリカ、イギリス、カナダ、インド、オーストラリアなど英語圏8カ国への海外展開に踏み切ったんです。

先行してアプリがスタートし、並行して2015年のAppliv海外版リリースに向けた準備をしました。日本語版を海外版にするために、マニュアルを全部英語にしたんですよ。

針替

カテゴリーの話とか、英語にするのが本当に難しかった。日本語ですら理解してもらうのがたいへんなのに。

小泉

記事作成のマニュアルは私が作ったものを英訳したんです。ネイティブスピーカーの方が理解できるように細かいチェックリストを作ったり、いろいろ試行錯誤しましたね。

――海外展開は2年くらいでしたか?

針替

日本で成功したオペレーション、サイト構成でコンテンツを作ったんですが、なかなか日本と同じようには伸びなくて。構造を作り変えたりとか、いろいろと試してはみたのですが、期待する成長ができなかったので、撤退するという判断に至りました。

トラフィック→収益性重視へ。プロジェクト型組織で効率的に成長

――アプリや海外展開の後は、どういう方針でサービス運営してきたんですか。

針替

2018年あたりになると、アプリに関連する検索ニーズはほぼ網羅していて、どんなキーワードで検索しても常にApplivが上位表示される。アプリの検索ニーズを狙ってトラフィックを伸ばすのだと、ほぼほぼ天井が見えていました。

打田

カテゴリーも作りきっていましたもんね。1個のアプリにつき、声優の名前を30くらい紐付けた覚えがあります(笑)。

針替

そうそう。それで、トラフィックを増やすより収益性を上げるほうに切り替えました

そこで注力したのがAppliv TOPICSです。当初はApplivのSEO強化のためのサブメディア的な位置付けだったんですが、スマホに関するエンタメサービスについても広く情報提供するようになりました。

当時、機能別組織からプロジェクト型組織に体制変更したタイミングでもあったので、いろいろな人がプロジェクトリーダーをやって、アイディアを出し合いながらチャレンジしていましたね。

2016年に「Appliv TOPICS」が誕生

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――プロジェクトが組織化されて、複数の施策を同時に走らせたんですね。

岩崎

私が入社したのがちょうどその時期です。UX改善のプロジェクトがあって、デザイン起案して開発して、効果検証するというのをまるっと手掛けました。

エンジニアではあるんですが、ナイルに入ってからGoogleオプティマイズを覚えて、手探りでA/Bテストをして自分で回していたんです。

丸山

私もその頃、別のプロジェクトで広告の収益改善をやっていて。1人体制でオプティマイズテストを作っては回し、作っては回し…。でも、あまりいい効果が出なくて、けっこうきつかった記憶として残っています。

それが数年後、もう一度改善に取り組んだら今度はうまくいきました。そのときは、同じチームのメンバーが改善案を出してくれて、私はそれをもとにデザインを作って回したんですが、すごくアイディアが広がって楽しくやれましたね。

一人でやることの限界と、チームでプロジェクトを組んで取り組むことの効果を実感しました

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――一方で、打田さんはApplivを紹介するためにさまざまなメディアに出演していますよね。

打田

Applivの認知度向上と流入増加を目指して、テーマに合わせたおすすめのアプリを紹介する役で地方のラジオ番組に週1回レギュラー出演していました。

それがきっかけで、さまざまなメディアに呼ばれるようになったんです。TVやラジオ、新聞、Webメディアと、年間100本近く出ていましたね。

過去の遺産的な機能を整理し、時代にフィットしたアップデートを

――この10年で市場環境も変わり、それに合わせてApplivも変化しています。Applivは今、どういったフェーズにあるのでしょうか。

小泉

スマホが普及しきったことで、Web経由でアプリを探す検索ニーズは減ってきています。なので、2022年はダイレクトにアプリを求めていない人に提案していくようなキーワードを狙って、効果を出してきました。

「ダウンロードやインストールを手伝う」という従来のApplivの役割が、「ユーザーが抱えている潜在的な課題を解決する」ものへと変わりつつあります。

針替

スマホが普及して、ユーザーが日々使っているアプリが固定化しているんですよね。めちゃくちゃアプリが増えていて、いいものもたくさんあるんだけど、新しいアプリはあまり入れてくれない。

打田

その人にとっての「良いアプリ」が、もう決まっちゃってるんですよね。

――そんな現状の前で、Applivがやろうとしていることは?

小泉

アプリデベロッパーのマーケティング支援に取り組みたいですね。アプリを直接求める人が減ってきているということは、デベロッパーも苦戦しているはず。そうした企業を後方支援してユーザーとアプリを結び付けることも、新しいApplivの在り方なのかなと思います。

岩崎

僕の場合ですが、入社した時点ですでにApplivには歴史があって、昔のチャレンジの足跡を感じさせるような機能もけっこう残されています。それらを一つひとつ調査して、バージョンアップしていくのも当面の課題だと思いますね。

打田

確かに、過去に搭載された機能には整理すべきものは多いですよね。大量に作成したカテゴリーをはじめ、さまざまなところに多くの担当者の思惑が残されているので、噛み合っていないところがある。それをようやく整理する段階にきているのかな。今の時代に合うように整理できたらうれしいですね。

針替

スマホが一般に広く浸透した今、スマホユーザーの生活がアップデートされるきっかけとなるようApplivやAppliv TOPICSを運営していますが、今後もその気持ちで良いメディアをたくさん作っていきたいと思っています。

では、良いメディアってなんだろうということなんですけど、まだ世の中にない情報を提供することでユーザーを幸せにできるメディアがそうなんじゃないかなと思っていて。

Applivはカテゴリー構造をはじめとした新しいチャレンジに泥臭く取り組んできたから、ユーザーに一定の価値を感じてもらうことができて、メディアとして成長できたわけです。

なので、これからも変わらずユーザーの行動に働きかけ、結果として幸せになってもらえるようなメディアを作りたいです。そうすることによって大きなメディアとビジネスの創出につなげていきたいですね。

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