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マネージャーも育休取得!先輩パパ3人の育休事情

「来月から育休なので」――働き盛りの男性社員がそう言っても、もう驚く人はいないでしょう。男性の育休取得の機運は年々高まり、2022年は法改正も一気に進みました。女性のキャリアロスを防ぎ、男性の家庭人としての側面を尊重する男性育休は、誰もがワークライフバランスを自由に選択できる時代への第一歩です。

一方、厚労省が公表した「男性の育児休業取得率13.97%」の数字からは、「周りに迷惑がかかるのでは」「キャリアが途絶えてしまうのでは」といった不安から育休取得に踏み出せない人や、男性社員が育休を取得するには社内体制や慣習などの障壁が多い企業が多いことがうかがえます。

ナイルでは、男女を問わず育休の取得を推奨しており、この数年で男性社員の育休事例も増えてきました。今回は、これから育休取得を考えている人、いつかとるかもしれない人に向けて、育休を取得したパパ社員のリアルを深掘りします!

清水拓也(しみず たくや)
デジタルマーケティング事業部 サイト改善ユニット マネージャー

Webマーケティング企業を経て、2018年よりナイルに入社。Web制作・ディレクション業務の経験を活かして、クライアントニーズにフォーカスしたWeb分析を実施。

福田士朗(ふくだ しろう)
自動車産業DX事業部 マーケティングユニット マネージャー

Web系のベンチャー企業を経て、2015年ナイルに入社。アプリ紹介メディアApplivの広告営業や売上責任者を経て、現在は自動車産業DX事業部でマネージャーとしてマーケティング業に従事。

寺田祐也(てらだ ゆうや)
デジタルマーケティング事業部 Webコンサルタント

出版社などで11年にわたり雑誌・広告の編集に関わる。2013年にナイルに入社。Webコンサルタントとして、コンテンツマーケティング施策を中心にメディアの戦略設計、データ分析と連携したコンテンツ改善を行う。

コロナ禍で子育て環境も変化。3人の育休取得の背景

――まずは、皆さんが育休取得された背景や理由ついて教えてください。

福田出産や育児ストレスによる、自分や家族の精神的負荷を下げたかったからですね。
1人目の子の出産はコロナが流行りはじめた頃で、周りに頼れる人もいなかったんです。それで、在宅ワークと育児、コロナ対策が重なって、大きなストレスを感じて…。
当時のような思いをしたくなかったので、2人目の出産では一定期間育児休暇を取ることにしました。

清水:私も2人目の子が生まれるタイミングで育休を取りました。
出産にともなう妻の入院時や退院後に、長男の面倒を見る人が周りにいなかったので、少しでも休む必要があったんです。日中仕事することも難しかったですからね。

寺田:私は、次男と三男が生まれたときの2度取得しています。
次男の育休のときは、出産直後だからこそより育児に関わりたい思いと育休時の生活にも興味があったので取得しました。
2021年の三男の育休は妻の負担軽減のためです。次男のときの経験から、男の子3人の面倒を一人で見るのは現実的に不可能だと考えていたので、育休を取得しました。

左から、清水・福田・寺田

――共通して、2人目のお子さん以降の取得なんですね。1人目のときは、育休取得は考えなかったですか?

福田:1人目のときは、そこまで気が回らなかったっていうのが正直なところですね。

清水:1人目で育児の大変さを目の当たりにして、2人目で取ろうと思う人は多いと思いますよ。赤ちゃんだけじゃなくて、上の子の面倒も見なきゃいけないから物理的に人手が必要ですし。

寺田:そうなんですよね。うちは3人いるので、誰かが急に体調を崩したときも、2人で手分けすると心強いです。

福田:1人ならまだしも、2人以上同時に泣くと、親一人ではどうしようもないですからね。

清水:両親や頼れる親族が近くにいるかどうかも大きいですよね。うちは双方の実家が遠方で、さらにコロナ禍で移動が制限されていたこともあって、私が休みを取らないと家庭が回らない状況でした。
妻の入院直前や退院直後、体の負担が大きくて歩くことさえままならない時期にサポートできて良かったです。

清水さんとお子さん

――取得期間はどのように決めましたか?

清水:ちょうど業務が忙しい時期だったので、ゴールデンウィークをはさんで3週間取りました。妻はもう少し取ってほしかったと思いますが、当時の業務的にそのくらいが限度でしたね。

福田:うちは、1人目の経験を踏まえて3ヵ月に決めました。やっぱり、生後3ヵ月くらいまでが一番たいへんだったので…。寺田さんは、2回とも結構長く取ってますよね。

寺田:1回目が5ヵ月、2回目が6ヵ月です。1回目は男性育休がまだ一般的じゃなかったので、何をどうしていいかわからなかったんですよ。それで、当時の上長との面談の際に「実は来年子供が生まれるので、育休を取りたい」と相談しました。

福田:確かに、当時はまだ男性育休を取る人は少なかったですよね。そもそも、なんで育休をとろうと思ったんですか。

寺田:社外のコミュニティで、半年育休を取得した男性と話したときに「絶対育休取ったほうがいいよ!」と熱弁されたのがきっかけですね。そこで初めて、男性が育休を取る選択肢があることを知ったんです。
それで、期間的に無理かなと思いながら5ヵ月で申請したら通ったので、じゃあ取るかと。

3人それぞれの育休事情

引き継ぎで生まれた、組織への意外な効能

――福田さん・清水さんはマネージャーですが、育休をとることはたいへんではなかったですか?メンバーへの共有や引き継ぎはどうしました?

清水:僕は戦略的に業務を引き継いでいって、僕がいなくても回る状態にしていきました。そして上長に相談して「取れそうなので取っていいですか」と相談しました。
福田さんはどんな感じでした?

福田:僕は子供が生まれることを半年くらい前には当時の上長に報告して、同時に育休取得についても相談していたんです。そこから半年間でメンバーに渡せる業務を洗い出して引き継ぎ、決裁権もできるだけ委譲していきました。

清水:引継ぎはめちゃくちゃ重要ですよね。どうしても属人的で代替できない業務は存在するし、自分の不在をカバーしてくれるメンバーには負担をかけるわけなので。
どの役職であったとしても、「休むんですけど、何をすればいいですか」みたいな姿勢ではなく、主体的に考えて上長へ提案したいですね。

福田:育休を取ったことで、抱えていた業務を棚卸しする良いタイミングになりましたね。おかげで、復帰した今はだいぶ身軽になって、次のフェーズに進むことができています。

清水:育休中に何かのクレームが発生したり、運用が回らなくなったりしたらどうしようという不安はありましたが、それは考え過ぎでした。
育休前後で比較すると、メンバーがより主体的になって行動していて、たくましくなっていましたね。自分で考えなければいけない状況になると、人って成長するんだなと思います。

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プロジェクトマネジメントのように家事や育児を行う

――一方、育休に向けてプライベートではどんな準備をしましたか?

清水:出産のかなり前から妻が準備を進めていたので、足りない物があるかを確認した程度です。

福田:2人目の出産だったので、1人目のときよりもどんと構えられましたね。1人目のときは、あれも買わなきゃ、これも買わなきゃって雑誌やWebサイトを見ていましたけど、今回は、まあ大丈夫、なんとかなるだろうと。

ただ、家の中の導線は整理しました。ごちゃついている部分を全部書き出して、産後は子供を抱っこしていてもミルクやご飯の準備がしやすいように、どんどん改善していったんです。

清水:すごい。仕事みたいじゃないですか(笑)。

寺田:タスクを洗い出して、協力しながら1日を回していくっていう意味では、仕事に近いところがありますね。
うちもプロジェクトみたいな感じで、ベースの割り振りをざっくり決めてから育休をスタートしました。夜泣きは奥さんが見て、その分、午前中は僕が上の子を公園に連れていくとか、家事をするとか。

清水:なるほど。うちは明確に役割を分担していませんでしたが、妻が赤ちゃんのお世話でたいへんなのは明らかなので、何もいわれなくても僕が上の子を見る機会は増えました。

…といっても、結局のところ子供ってお母さんが好きなんですよ。「お母さん、お母さん」ってついて行ってしまうから、男親がどんなに面倒を見ようとしてもできないときはできない。
そういう場合は、無理に子供を引き離すんじゃなくて、落ち着いてから奥さんが一人になれる時間を作るようにしました。

寺田さんとお子さん、福田さんとお子さんたち

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男性育休が人生と仕事にパラダイムシフトを起こす

――復帰に向けて取り組んだことがあれば教えてください。

清水:僕は期間が短かったので、あっさり復帰しました。お2人はたいへんでしたか?

福田:復帰の時期が近付いてきた頃に上長と労務の担当者に連絡をして、淡々と復帰しました。周りも、普通に「お帰りなさい」みたいな(笑)。
ただ、休み中のキャッチアップには時間をかけました。復帰してから2週間くらいは、ほぼキャッチアップだけしていたといっても過言ではないです。

寺田:僕の場合も、復帰の1ヵ月前くらいに上長に連絡を取ってミーティングをして、復帰の日時だけ決めました。

清水:6ヵ月あくと、不安や心配も大きかったんじゃないですか。

寺田:不安がなかったといえば嘘になりますね。でも、戻ってしまえば仕事があっという間に忙しくなって。気付いたときには育休前と同じように働いていました。

――最後に、育休期間を振り返って、後輩にアドバイスをするとしたらどんな言葉を掛けますか?

寺田:育休中は、妻が赤ちゃんを見ているあいだに上の2人と公園に行って、夕焼けを見ながら帰って食卓を囲むような、昭和の原風景みたいな暮らしをしていました。
家族といっしょに過ごす時間を集中的に持ったことで、かえって仕事や職場への帰属意識も高まって、「仕事も、家庭も大切」っていう言葉を身に染みて感じましたね。

ふだん、仕事だけに没頭できることがどれだけ贅沢でありがたいことかもよくわかりました。家族の時間を通して、意識がだいぶ変わったかな。新しい価値観を得るために、また自分の置かれている環境の価値を改めて感じるために、皆さんにも育休を取ってほしいです。

清水:期間は僕のように短くてもいいし、寺田さんのように長くてもいいから、とにかく経験してみることが大事。仕事にも人生にも、何かしら気付きが生まれるきっかけになると思います。

福田育休を取ったことで、これまでとは違う視点で世の中を見ることができるようになりました。
例えば、昼間の児童館に子供を連れていくと、世の中の育児をしている親御さんや保育士の方、児童館のスタッフの方々などの過ごし方や悩みといった、今まで知らなかった誰かの暮らしの一片を垣間見ることができます。
それだけで世界が広がったと思いますし、そこで見た景色が、自分の担当している定額カルモくんのマーケティングの仕事に活きることもあります。また、自分の部下が育休を取ったとき、リアルにその悩みを想像してフォローすることもできるでしょう。

何といっても、仕事はこの先ずっと続くけど、子供の「今」はこのときしかない。僕は、上の子が生まれたばかりの赤ちゃんを大事に抱っこする様子を見ることができて、とても幸せな気持ちになりました。これからずっと続いていく家族の時間の始まりを、ぜひ大切にしてほしいですね。

※本記事は2022年12月9日に公開しており、記載情報は現在と異なる場合がございます。