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暗黙知の可視化/数値化/仕組み化によってコンサル業務を20%削減!業務支援ユニットの挑戦

SEOやコンテンツ支援などを手掛ける、デジタルマーケティング事業部(通称DGM)。DGMでは、コンサルタントを業務面で支援する「業務支援ユニット」(通称GU)が2018年より稼働しています。GUチームのメンバーでそれぞれコンサルタント経験のある糸田川と高久が、ユニットの役割とチームにかける思いを語りました。

ナイル株式会社
デジタルマーケティング事業部 業務支援ユニット
糸田川 五大(いとたがわ ごだい)
2015年新卒入社。SEOコンサルタントとして、不動産・求人・ECなど大規模サイトの設計支援や、BtoBニッチ商材サイトのマーケティング支援を経験した後、業務支援ユニットに発足時から参加。社内の育成体制の構築・ノウハウ可視化を担当している。歴史・地理の雑学が得意。
高久 慶太(たかく けいた)
中央大学卒業後、インターン期間を経て新卒でナイルに入社。SEOコンサルタントとして入社1ヶ月目から常にトップ5の運用額を誇る。2018年7月からアナリストとなりサイト改善のための定量定性分析を日々行った後、2019年1月から業務支援ユニットに所属しノウハウ蓄積のためconfluenceの導入やコンサルメニューの汎用化、社内メンバーの育成、営業管理等を行う。初年度から100人規模のセミナーに登壇経験も。

人のよさに頼らずに仕事の粒度を揃えていく

――それでは早速ですが、「業務支援ユニット(GU)」の役割を教えてください。

糸田川:ざっくり言うと、コンサルティングチームの実務面のサポートを担っています。コンサルティングはお客様のマーケティング戦略を立てるのが仕事ですが、ことSEOについては実装に伴う付随業務がかなりのウェイトを占めています。例えば、お客様のWebサイトのページごとのtitleを調整する作業などは、100や200といった数で個別に文言を考えるようなことも珍しくありません。これだけで1日を費やしてしまうなど、作業に時間をとられがちです。そうした業務をGUが引き受けることで、コンサルタントが個別の手法論や技術実装にとらわれずに、顧客利益を追求できるようにリソースを割けるようにしたのです。

高久:事業部全体の標準化も進めています。重視しているのは再現性ですね。再現性を担保するために、ナレッジの共有があり、暗黙知の言語化、オペレーション効率化がある。それぞれのメンバーの暗黙知をいかに引き出すか。部内のオペレーションの拠り所となるものや、業務に使う資料をシェアし合うことで、ナイルとしての仕事の粒度が揃うような土壌を整備するのも私たちの役目です。

――なぜチームが立ち上げられたのですか。

糸田川:デジタルマーケティング事業部ではSEOで実績を積み、おかげさまで多くのお客様に信頼いただけています。ただ次のステップを考えた時に、より上流の段階から提案できる組織になる必要があります。けれども実際は日々の業務に追われ、新しいことに挑戦したり外部から学んだりすることに積極的になれずにいました。変革や成長のスピード感に欠けていてこれはまずいと。事業部全体に危機意識がありました。

高久:あとはスキルの属人化ですね。新入社員のキャリアアップも経験に委ねるところがあって。情報をシェアする環境が整っていなくて、結局個人に任せるしかなかったんですよね。

糸田川:入社して半年くらい経ってから、ツールの存在を知るとか。先輩にしてみれば当たり前のものだから、「え! 知らなかったの⁉」となって。

高久:新人は「え! そんな便利なものがあったの⁉ マジか」って感じですよね(笑)。

――ああ。そうしたロスは、じわじわとみんなの首を絞めていきますよね…。

糸田川:そうなんです。社内の面倒見は個人レベルで見るとむしろいいほうで、困った時には親身になって相談にのる人が揃っています。けれども“人のよさ”に頼っていては、必ず穴が生じてしまう。また同じ作業でもやり方に個人差があると結果が違ってしまい、考察も変わってくるので最終のアウトプットにも影響してきます。それは会社としてよくないですよね。みんなうっすらと課題意識はあったので、フォローする役割を組織化したのです。

高久:糸田川も私もかつてはコンサルティングチームにいて、現場で起こるモヤモヤをたくさん経験してきました。そのモヤモヤを解消し、適切なところにリソースを投下できるように支援しています。

改善アイデアを“使える”形にするのが仕事

――これまでの取り組みを教えてください。

高久:最初にコンサルタントの日報をもとに、1カ月間の稼働を集計したんです。どの仕事にどのくらいの時間をかけていて、どの部分をGUが引き受ければコア業務に集中できるのかと。集計から仕事を切り出し、対応できることを項目別に上げていきました。

糸田川:コンサルタントから依頼された業務は、アルバイトスタッフや外部スタッフに割り振ります。そのためGUサイドでは、スタッフの力量も把握しておく必要がある。それでスキルマップを作成し、それぞれのスタッフが得意なことと苦手なこと、経験のないものなどひと目で分かるようにしました。

業務内容ごとの稼働集計シートを作成し、業務工数を可視化

――誰にどの仕事を割り振ればいいかを、見える化したのですね。

高久:はい。でもそれだけでは十分ではありません。作業者は案件の全体像を理解し、担当業務の位置づけを押さえておく必要があります。これを省くと作業の質に影響してしまいます。そのため都度研修を実施して、マーケティングやSEOの基礎知識、ビジネスモデルの理解などを、サイトの役割と紐づけながらインプットする機会を設けています。

――確かに全体像が分からないと、仕事そのものも曖昧になりがちです。

高久:業務は部分的になりがちなので、スタッフも自分の実力を把握しにくく、やりがい低下にもつながりかねません。それで業務内容と必要なスキルのつながりが分かる「スキルマップ」を作成しました。並行してアルバイトスタッフには週に1度の1on1で、業務の振り返りや課題設定などを行っています。

スキルマップを作成して、研修育成でフォロー
――部内のナレッジ共有は、どのような仕組みにしたのですか。

高久:社員からの提案で「Confluence」を新たに導入しました。いわば社内用のWikipediaのようなものです。議事録のほか、社内で利用しているツールとそのマニュアル、営業用資料などをストックし、また業界やサイトの目的ごとの検索キーワードリストなどを集めてシェアできる環境を整えました。

Confluenceに情報をストック
 

――Confluenceの使い方やレポートの置き場などを、ユニットで決めていったのですね。

高久:そうですね。利用しやすい状態にするには、周囲へのヒアリングが欠かせません。GUができる以前にも、Google Driveの活用など、シェアの仕組みは何度も検討されてきました。けれども通常業務との兼務だと、仕組みづくりが進まずにうやむやになりがちでした。そのため今回はGUの方で管理を引き受けて、勉強会を開いたり日々の業務で「それならConfluenceが使えるよ」と伝えたりするなどして、利用促進に努めています。おかげさまで開始から3カ月間で500以上のページが作られています。

――今開発中の取り組みはありますか。

糸田川:業務の自動化も重要で、アナリストチームと協業で従来はコンテンツ部門が属人的に行っていた、納品記事の成果状況レポートの自動化にも取り組んでいます。サイトの改善には効果検証はつきものですが、緊急度が高くない分、後回しになりがちです。Google Analyticsや複数の解析ツールを自動更新し、そのデータをスプレッドシート上に束ねることで、データの収集や編集のわずらわしさから解放されます。

――まさに“人の手をかけない”やり方ですね。

糸田川:非効率なところで頭を悩ませ、摩耗しているなんてもったいない。本来私たちは、作業でなく顧客の利益に集中し、お客様の成果を最大化することに力を注ぐべきです。それが組織の成長につながっていくはずですから。だから私たちも「コンサルタントが新しいバリューを提供するための環境機会の創出」をチーム目標に掲げているのです。

Google Data Studioのプロジェクトでも周囲のヒアリングを重ね、「これさえあれば大丈夫」という形のものをつくり上げました。Confluenceもそうですが、どんなにいい取り組みでもステップが簡便でないと普及しません。社員から出た改善アイデアを、業務に取り入れやすい形に開発していくことも、GUの役割だと認識しています。

「いかにして仕事を手放すか」が究極のテーマ

――ユニットが立ち上がって、どのような変化が見られましたか。

高久:コンサルタントからの依頼件数が、毎月過去最高を更新する形で伸びています。4月は140件近くの業務をこちらで行いました。GUのメンバーがコンサルティングチームの定例会に参加し、話を聞きながら「それならGUで対応できます」などと提案しています。コンサルタントの間でも、案件が発生したらGUに依頼できることを最初に考えてくれているようで、とても嬉しいです。

糸田川:業務負荷が減って、より高度な案件を担当したり担当件数を増やしたりするコンサルタントが増えました。また傍から見ていて、夜遅くまで仕事している人が減りましたね。力業でこなすのではなく、考えて仕事する土台ができてきたのではないかと。その人にしか出せない価値を発揮してもらうことが、生産性を高めるのだと改めて実感しています。

――現時点での課題は。

高久:GUのテーマは「いかにして仕事を手放すか」にあると思っています。今は私たちが担当していることも、他の人がやっても再現性の高い仕組みにすることが大切で。例えばスタッフ研修では、受講者が次は講師を務めるという循環をつくりたい。どの業務も数カ月後には誰かに渡す前提で設計しています。私たちのチームはあくまでも間接部門です。めざすところの究極は「ユニットがなくなる」ところにあるのかなと思いますね。

糸田川:僕はまだそこまで考えてはないですけども(笑)。けれども私たちも仕事を抱えてしまうと、次々と出てくる新たな課題に対応できません。ですからGUの属人化を防ぐことは重要ですね。

――今後の展望を聞かせてください。

糸田川:現時点でコンサルティング業務の2割をGUが担っているので、その比率を高めること。またSEO業務をもっとパッケージ化することで、実働をほぼGUで巻き取るような商材の開発も視野に入れています。デジタルマーケティング事業部として「ナイルに相談すればWebマーケティング全体をカバーできる」という状態を目指していく中で、出来ることはまだまだ多いです。

高久:Web上でのユーザー行動を元に、お客様のデジタルマーケティングを再設計するような商材の開発を、営業の今崎や外部顧問の清水と取り組んでいます。

糸田川:これまでナイルでは、コンサルティングで得た知見からオウンドメディアの「SEO HACKS」やアプリ情報サイトの「Appliv」を立ち上げています。業務を通じて得たものを、事業という形で社会に還元する。これもナイルらしさなのかなと。ぜひGUからも事業を立ち上げていきたいですね。

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※本記事は2019年7月23日に公開しており、記載情報は現在と異なる場合がございます。