【エンジニアのプロマネ術】感謝称賛をポイントで贈る社内制度「You Are The One」
社内でプロジェクトが立ち上がっても、いつも途中で頓挫しちゃう…ということってありませんか?
今日は、過去5回以上も立ち消えたことのある「サイドプロジェクト」を見事完遂させたエンジニアにお話を聞いてみます。
目次
ナイルの制度「You Are The One」をリニューアル
私たち独自の社内制度に、You Are The Oneというものがあります。メンバー同士で、感謝や称賛のメッセージとともにポイントが自由に贈りあえるものです。
贈れるポイントは毎月1,000ポイントが上限ですが、1ポイントあたりの金額が決まっているため、ボーナスのような形で半期ごとにお給料に反映されます。
他の人のやりとりもフィードに流れてくるので、普段一緒に仕事をしない人でも誰がどんな活躍をしているのかがよく分かります。
5回以上も自然消滅したリニューアルプロジェクト
そこで立ち上がったのが2015年に入社したエンジニアの塚本さんです。
プロジェクトを始めようとしたきっかけは、「エンジニアとしての成長のためには書籍のインプットだけでは足りない。自分でもっと手を動かしたい」という考えから。塚本さん自身の新たなスキル習得が目的のひとつだったそうです。それから「これまで頓挫し続けたプロジェクトを自分が絶対に達成してやる」という強い思いを持って取り掛かりました。
結果、塚本さんのチームは半年かけて、これまで頓挫し続けていた「You Are The One リニューアルプロジェクト」を見事完遂させたのです。
リニューアルの内容は主に次の3点です。
・デザインを、現在のコーポレートカラー*に合わせ一新
・ポイントを気軽に贈れるようなUIに変更(検索機能の追加など)
*ナイルは2015年にヴォラーレ株式会社から改名しました。それに合わせコーレポートカラーも若干変更になっています。
サイドプロジェクトを進めるための4つの秘訣
なぜ最後までやり遂げることができたのか。塚本さんにプロジェクトマネージャーとしての秘訣を聞いてみたところ、4つ挙げてくれました。
1. メンバーのやる気を引き出しながら進捗管理
塚本さんは、様々な目的意識を持って集まったプロジェクトメンバーが、それぞれ目標に向かって走れるようにサポートをしてきました。目的が違えばやる気が出るポイントも異なります。まずはその把握をしたそうです。
一方で、いつも各々のモチベーションにペースを合わせていては、プロジェクトは進みません。「毎週○曜日○時に集まる」「その日の気分で勝手に休まない。休む時は連絡する」などのルールを作り、進捗も細かく管理しました。
また塚本さんは「サイドプロジェクトの多くは、メンバーのモチベーションが下がった時に自然消滅してしまう。気分の上下があるのは当たり前なので、モチベーションが下がっても進捗が遅れないようにある程度はルールで強制力をもたせるべき。」と言います。
気分で「できるときにやろう」となりがちなサイドプロジェクトでも、納期を決めて宣言しておくことも重要だそうです。
2. 民主的に物事を決めない
自発的に集まったチームだと、リーダーが不在で「みんなで決めてみんなで進めよう」となりがちです。それだと前に進まないので、塚本さん自身がリーダーとなって意思決定をしてきました。「ボトムアップで色々な意見が出るのはいいことだけど、それに引っ張られすぎずに、決裁者を決めてその人が決めて行くことがポイント」とのことです。
3. 挑戦と成功のバランスを取る
プロジェクトの当初の目的は「新たな技術を習得すること」でした。ですが難易度の高い技術だけを使っていると、進行は遅くなってしまいます。そのバランスを取って、プロジェクトとしては最低限進ませるが、新たな技術も習得できるギリギリのラインを保つようにしたそうです。
具体的には、前回はあまり知見のないScalaで開発しようとして頓挫した経緯があったようなので、使う言語は普段から使い慣れているPHPにしました。一方でフレームワークは普段プロダクトで使用していないLaravelにしたり、フロントエンドでReactを使ったりするなど、技術的な挑戦とプロジェクト成功のバランスを取るようにしました。
4. 要件を詰め込みすぎない
何かプロジェクトを始めようとすると、あれもこれもとやりたくなりますよね。ですがそうすると工数が読めなくなりますし、プロジェクトが長期化してしまいます。塚本さんは、「まずはゴールする」ということを意識して、初期段階では最低限の要件だけに絞ったそうです。
一次開発は成功。二次は課題あり…
第2フェーズでは、メンバー同士のコミュニケーションがさらに活性化するような新しい機能の追加を検討しているとのことです。ですが、実は第2フェーズの開発は思うように進んでいません。ゼロイチの開発が終了し、当初の目的だったスキル習得がある程度は達成できてしまったことや、関わるメンバーの方向性がバラバラになっていることが原因のようです。
このような課題はありますが、塚本さんは「次のフェーズでは、普段一緒に仕事をすることのない他事業部の社員からも知見をもらい協力しながら、新たな挑戦をしてみたい。」と今後について話してくれました。
※本記事は2018年8月9日に公開しており、記載情報は現在と異なる場合がございます。
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