NYLE ARROWS

ナイルの「今」と「挑戦」を
伝える公式オウンドメディア

検索
すべての求人を見る

お客様の事情に寄り添い、共に局面を打開する──「カーリースカルモくん」債権回収業務のリアル

車のサブスクリプションサービス「カーリースカルモくん」は、月々の定額料金で車を利用できるという手軽さが強みです。
平均契約期間は9年と長期のご契約が多いため、裏側ではお客様それぞれの状況に応じた、きめ細やかなサポートが求められます。

中でも、何らかの事情でお支払いが難しくなったお客さまと丁寧に向き合い、ご事情に則した解決に向けて対話を重ねていくのが、カスタマーサクセス(以下、CS)内にある「債権回収チーム」です。

今回は、チームの立ち上げ期にジョインして改善を牽引してきたカーリースカルモくんの債権回収チームのメンバーに、このチームならではの取り組みや、仕事にかける思いなどを聞きました。

滞納の背景を理解し、確実な返済につなげることが重要

──まずは、「カーリースカルモくん」における、債権回収チームの仕事内容を教えてください。

お客様とのコミュニケーションを通じて、お支払いに関する状況を確認し、解決につなげていくお仕事です。

お支払いが滞っている方に対し、メールや電話などでご連絡を差し上げ、ご案内やご相談を行います。
入金のご案内をはじめ、事情を伺った上で返済計画のアドバイスをすることもありますよ。

──個別対応になるので、難しそうですね…!

私は、前職でも10年ほど債権回収業務に携わっていて、金融機関の不良債権やインフラ系の未払い料金回収などを行っていました。

前職では、複数の債権が絡む複雑なケースを多く担当していたのですが、カーリース債権はシンプルで、状況を整理しながら前向きな対話がしやすいと感じています。

経済状況が急変した際、まず住まいや生活費を守ろうとするのは自然な流れ。
私たちはそうした背景も理解しながら、対話を通じて最善の策をいっしょに考えていきます。

部署をまたいだナレッジ共有で、業務改善がスムーズに

──債権回収チームは、2021年10月に立ち上げられたんですよね。

はい。それまでは、今もタッグを組む担当者が一人ですべての債権管理業務を担当していたのですが、そこに私が加わった形です。

そこから仕組みを一つひとつ整え、事業成長に伴って求められる業務改善に取り組んできました。

──具体的には、どのようなことに取り組んだのでしょうか?

それまでは電話でのコミュニケーションが中心だったのですが、人員が足りないために、メールやSMSでのご案内まで十分に手が回っていなかったんです。

そこで、まずは業務ツールを導入して、リソースの不足を補うことにしました。
お客様ごとに最適化した文面を作成し、適切なタイミングでメールやSMSを送信できるツールを活用しています。

そのおかげで、お客様への丁寧な対応は損なわずにマンパワーを削減することができ、さらにアプローチの効率も向上しました。

──丁寧な対応が求められる業務にもかかわらず、ツールを活用して効率化をはかれるのはいいですね。

そうですね、丁寧さとアプローチの効率化の両方を叶えられたので、とても助かりました。

ただ、個人的に驚いたのは、ツール導入を上長に進言してから、実際に導入されるまでのスピードですね。

実際に日々の業務でも「まずはやってみよう」という前向きなスピード感があって、ベンチャー企業ならではの意思決定の早さを実感しています。

デジタル領域に強みを持つナイルだからこそ、「試して、改善する」カルチャーが自然と根付いているのだと思いました。

──確かに、全社的にそういった傾向は強いですね。ほかにはどのような取り組みを行ったのでしょうか。

メールやSMSでのコミュニケーション手段をしっかり確保できたので、次はそれぞれの手段でのコミュニケーション内容を磨き、接触率や反応率が高まるパターンを見つけるべく、A/Bテストを行っていきました。

例えば、メールがいいか、電話がいいかといった連絡手段から、どういった文面にするのがいいか、お送りするタイミングは平日がいいか、週末がいいかなど、さまざまな条件で検証しています。

結果として、一律的に「これが正解」というものではありませんでしたが、お客様のライフスタイルに応じて接触率や反応率が高まるパターンを見つけてナレッジ化し、運用に反映しています。

──A/Bテストをするなんて、マーケターみたいですね!

そうなんです。
そのあたりは、デジタル広告の運用や日々のお客様対応で反響を確認していて知見のあるマーケティングチームやCSチームにアドバイスを求めました。

部署の垣根を越えて、ほかのチームがフランクにナレッジを共有してくれるのも、ナイルの魅力ですよね。
前職が大企業特有の縦割り文化で、軽い相談でも上長を通して正式な依頼が必要だった私にとっては、とても新鮮でした。

雑談レベルで「これってどうすればわかる?」「こういうことってできる?」と相談できるので、思いついたことをすぐに現場で試すことができるんです。

──部署間の連携は、ナイルに根付いた良い文化のひとつですね。

セールスとの関係でも、そうした文化の良さを感じることがよくあります。

支払いが滞っているお客さまの情報は担当したセールスにも共有されるので、「売って終わり」になりにくいのかもしれません。
自分が担当するお客さまの状況を気にかけ、私たちといっしょにコミュニケーションの方法を模索してくれるメンバーが多いんです。

それぞれの職種が、自分の仕事の影響範囲を考えて主体的に動ける、稀有な組織だと思います。

カーリースカルモくんではいろんなチームが連携してサービス提供

対話を通じて見えてくる、人生のストーリーが原動力

──契約者の事情に寄り添いながら返済に向けた解決策を探る仕事には、難しいことも多いと思います。

私にとって債権回収は、まわりが思うほど特別な仕事ではないんです。
お客さまとのコミュニケーションを通じて合意形成を取るという意味では、ほかのサービス業や接客業と変わりません。

ただ、100人いれば100通りのストーリーに触れられることは、この仕事にしかない醍醐味だと思います。
決して楽しいストーリーばかりではないのですが、一筋縄ではいかない人生と真摯に対峙し、道を切り拓こうとしている方と接すると、「なんとか立て直してほしい」と心から思うんです。

債権回収というより、人生の苦しい局面を打開するための生活アドバイザーのような視点なのかもしれません。

滞納に対する不安や、突然の連絡に驚かれる方も多く、最初はお話するのが難しいこともあります。
ですが、事実をもとに粘り強く対話することで、少しずつ信頼関係が築かれ、解決の糸口が見えてくることがほとんどなんです。

辛抱強く対話を続ける中で、絡まっていた紐が溶けていくような感覚があると、コミュニケーションの妙を感じます。
そういう一つひとつの瞬間が、私がこの仕事に取り組む原動力になっているのかもしれないですね。

──AIなどで効率化が進んでも、お客さまの事情を汲んで対話できる“人”の存在は欠かせませんね。

少数精鋭で多くのお客さまに対応するには、チャットボットやIVR(自動音声応答システム)での自動化が不可欠です。
一方で、利用者の状況や感情に応じた柔軟な対応には、やはり人の力が必要です。

相手の気持ちや事情を汲んだ対話は、人にしかできない部分。
人間の温度感が伝わることで心が動く方も多いと思うので、デジタルをうまく活用しつつ、人間味を失わない債権回収チームでありたいです。

サービスの健全性を支える「最後の砦」でありたい

──現状考えている理想の債権回収チームの形とはどういうものですか。

事業がさらに成長して契約者数が拡大しているので、非定型業務も増えています。
2人体制では負荷が大きくなっているため、チームとして次のフェーズに進むタイミングだと感じているんです。

そのため、新しいメンバーを迎えてチーム体制を強化したいと考えています。

ナイルでは、現場の声がサービスの仕組みに反映され、試行錯誤したことが成果につながる実感があります。

この仕事をより深め、手応えをもって取り組みたい方にとっては、きっとやりがいを感じられる環境だと思いますよ。

また、自分たちのチームだけでとどまることなく、CSやセールス、マーケチームなどとフラットに話し合う風土もさらに育てていきたいですね。

得意分野や視点が異なる部署との連携で得られる知見は、私たちにとって大きな財産。
ナイルならではの柔軟な組織風土を大切にし、サービスの品質向上に向けた取り組みを継続していきます。

──ありがとうございました。最後に、個人としての今後の目標を聞かせてください。

カーリースは、一般的に数年間単位での契約で、長ければ11年と、お客さまとは長いお付き合いになります。
債権回収は、その長いライフサイクルの一部に過ぎません。
ですが、ここで適切に対応できなければ、契約通りの収益が得られず、サービスそのものが立ち行かなくなってしまうでしょう。

契約を守っていただくよう働きかけることは、お客様への責任であると同時に、事業をきちんと継続させるための運営上の責任でもあります。
そうした意味で、私たちは「サービスの健全性を支える最後の砦」だと考えています。

そしてもうひとつ大切なのは、その対応がお客さまとの関係性にどう影響するかという点です。
どんなに厳しい場面でも誠実に向き合うことが、結果として信頼を残すことにつながると思っています。

債権回収を経た後もお客様と良い関係を続けていけるように、単なる督促役ではなく、「安心してカーリースサービスを使い続けるためのサポート役」として信頼してもらえるようにがんばりたいですね。

 

※本記事は2025年9月17日に公開しており、記載情報は現在と異なる場合がございます。

ナイルで一緒に働きませんか?