専門性を持たずとも替えのきかない人材に。数々のメディアの運用改善を担ったAppliv責任者のキャリア
NYLE ARROWSでは、これまでナイルのさまざまなプロフェッショナルの活躍ぶりを紹介してきました。
Webコンサルタントやエンジニア、セールス、編集者など、何らかの専門領域に建てた足場を上へ上へと登っていたメンバーです。
それが普通じゃないの?と思う方にとって、今回登場する伊藤隆史は異色の存在かもしれません。
いわゆる専門領域を持たず、業務効率化を軸にメディア&ソリューション事業部で運営する各種メディアの成長を牽引しています。
未経験の編集者への応募からナイルの扉を開き、ナイルの中核事業のひとつであるアプリ情報メディア「Appliv」の責任者に任命されるまでになった伊藤。
「専門性という武器がなくても人生はおもしろい」と話す彼のキャリアの築き方に迫ります。
伊藤隆史(いとう たかし)
メディア&ソリューション事業部 アプリカテゴリ主任 Appliv責任者
明治大学卒。印刷会社の営業、データ入力代行会社の事務を経て、2019年にApplivの運用として入社。業務効率化を軸に多数のメディアへ参画。運用改善やオペレーション体制構築、新規メディア立ち上げなどに携わり、2023年10月から主任としてApplivの責任者を務める。
目次
ナイルで働きたい一心で、経験者枠の編集職に未経験で応募
──ナイルには、Applivの編集者の求人にエントリーしたのが最初なんですよね。
そうです、転職サイトを見ていたときに偶然見つけました。
ナイルのことは当時まったく知らなかったんですけど、なんとなく気になってコーポレートサイトや「ナイルのかだん(現・NYLE ARROWS)」を見たんです。
「ナイルのかだん」のように、社員自身が働き方や会社の方針を語る記事をこんなにたくさん発信している企業のメディアを見たことがなかったので、知らない会社を知ることができるのがすごくおもしろくて。
記事をいろいろ読んでみて、ここで働けたら楽しいだろうなと思って応募しました。
──ただ、それまでのキャリアで編集の仕事は未経験だったんですよね?
そうなんですよ。
ナイルに入社する前、新卒で入社した1社目は印刷会社の企画営業職でした。
そこで営業活動に付随する事務の効率化に携わったことで、効率化を促進する業務に興味を持って。
そして2社目では、ルーティンワークの効率を上げる業務改善、オペレーション改善を主に担当していました。
業務自体はおもしろかったのですが、効率化の対象業務やクライアントが固定化されていたため、刺激と変化を求めて3回目の転職を決意したんです。
この経歴で、経験者を募集している編集職に未経験でエントリーしたわけですから、無謀な挑戦でしたね(笑)。
実際、ナイル以外に応募した会社は、すべて業務改善系のポジションでしたし。
──ナイルそのものに興味を持ったからこその挑戦ですよね。ただ、編集の仕事は未経験だったとはいえ選考は進んでいったと。
はい。1次、2次と進んでいったのですが、「さすがに採用されないだろ」と思いながら応募していたので、むしろ選考が進んでいることに戸惑っていました。
もしかすると、新卒時代から趣味で「M-1グランプリ」の予選に出場していて、2回戦まで進出したことがある話をおもしろがってくれたのかもしれません(笑)。
──もちろんそれだけではないはずですが(笑)。
なので、最終的に編集者ポジションではなく、Applivの運用担当として打診があったときは、「ですよね」と。
──きっと、編集経験者かどうかというより、面接官は伊藤さん自身に興味を持ったんでしょうね。とはいえ、応募していた編集者とは違うポジションでの打診でしたが、それについては問題なかったですか?
それこそ、ナイルという会社自体に興味を持っていたこともあって、特に問題はなかったですね。
むしろ、「ナイルで働きたい」という熱意を持っている私を振り落とさず、私のスキルを活かせるポジションを提示してくれたことで、ナイルに対する安心感と信頼感が増した気がします。
──ほかにも、入社の決め手になったエピソードがあったら教えてください。
選考が進んでいる企業はナイル以外にもありましたが、ナイルでは信頼を得られる仕事をすれば、職歴に関係なく責任と権限をセットで渡してくれそうだったことも決め手になりましたね。
あと、それまでのキャリアの中で、会社の事業展開のスピードが上がらないことにもやもやしたこともあったので、ナイルでは3ヵ月単位で施策の方向性と戦略を調整していくという説明にも魅力を感じました。
特化した専門性がない自分だからこそできることがある
──Applivの運用担当として入社されましたが、どんな仕事なんですか?
簡単にいうと、膨大な記事数があるAppliv内の交通整理をするような役割です。
Applivはアプリを分類してグループ化したカテゴリ構造なので、新しく出たアプリを適切なカテゴリに紐づけたり、各アプリの紹介記事を振り分けたりする業務を担当していました。
同時に、アプリのハウツー記事やスマホに関するエンタメサービスの情報を発信する「Appliv TOPICS」のオペレーション効率化や、より効率的に記事を量産できる体制の構築などもしていました。
──その後Appliv以外にも多くの自社メディアに関わっているんですよね。
はい、これまで4~5つくらいのメディア&ソリューション事業部が運営するメディアに携わっています。
いずれもメディアの運用効率、編集体制などオペレーション効率を図って売上を上げることがミッションなのですが、それをしようとすると実際に各メディアの業務に入り込む必要があるんです。
よって、原稿校正のような編集業務を行ったり、採用にかかわったりすることもありました。
編集といっても、僕に編集者のスキルがあるわけではないので、生成AIを使った記事制作の効率化のためにベースとなる記事を書いていた感じです。
──短い期間にさまざまなメディアを渡り歩くことについて、どう感じていましたか。
入社から間もない頃は、何かしらの専門性が身につかないことに不安を感じたこともあったんです。
自分に明確な武器がないことに対する、漠然とした焦りですね。
一方で、自分という人間に期待して、新しいチャンスをくれていることは純粋にうれしかったんです。
だんだん「学ぶ気さえあれば、(やったことがなくても)だいたいのことはやれる」と自信がついてきたこともあって、ネガティブに捉えたことはなかったです。
最近では、専門性がないことを武器にしても、経験できることが多くて人生がおもしろくなる気がしてきました。
専門家は各領域にたくさんいますから、特化した領域がない存在にしかできないことに取り組んで、会社の成長に貢献したいですね。
──そんな伊藤さんだからこそ身につけられた視点やスキルがあれば、教えてください。
組織としてひとつの目標を追う中で、人間関係が原因でなかなかドライブしない、なんて話は一般的によくある話だと思うんですが、それは最悪だなと思っていて。
どうすれば円滑に、みんなで「チームの最適解」を見出せるかを考えるうちに、各メディアでのコミュニケーションの取り方を工夫する力が身についたと思います。
特に、既存のメディアに入っていく場合、メディアがこれまで築いてきたポリシーや暗黙の了解を無視して改善の提案をしてもうまくいきません。
よって、まずはそのメディアが何を重んじているのか、どんな方針のもとで運営されているのかといった前提情報を収集して、情報を出すタイミングや見せ方を変えるようにしています。
──杓子定規に「このやり方がいい」と押し付けるのではなく、各メディアの特性に合わせた改善提案をするわけですね。
はい。自我を出すことよりも、メディアにとっての最善を考えて戦術や戦略を提案していったほうが、結果的にうまくいくことを学びましたね。
基本的に、メディア&ソリューション事業部のメンバーは派手ではないですが、内に情熱を持って真摯に業務に取り組んでいる人が多いので、丁寧にコミュニケーションを取って連携すれば、確実に成果が出るのもうれしいところです。
──ちなみに、現在はどんな業務を行っているのでしょうか?
Applivの中長期戦略や、各クォーターのOKRの戦略・戦術を設計しています。
また、生成AI活用周りでは、「AI比較ナビ」の記事執筆や事業部内の生成AIを利用した記事の最適化、そこで得られた知識の社内共有などにも取り組んでいますね。
ただ、今後は主任としてApplivの責任者を務めることになったため、今後はプロダクトオーナーとして売上に直接的な責任を持って施策を回していくことになります。
──入社の経緯を振り返ると、5年目にしてApplivの責任者を任されるのはすごいですよね。
本当ですよね(笑)。
素直で前のめりな人なら、ぶっちゃけ何でもできる会社だってことは、自分のキャリアで証明できている気がします。
楽しんで仕事ができる人なら、確固たる武器がなくても必ず成長できる。
「ナイルっておもしろそうだけど、自分にできることはあるのかな」と思っている人は、ぜひチャレンジしてほしいです。
──第2、第3の伊藤さんが出てくることを期待したいですね。最後に、これからナイルでやっていきたいことを教えてください。
Applivは業界でも老舗に分類されるメディアで、安定した売上を維持していまが、まずはそこで、もっともっと高みを目指すための起爆剤になれるような働きをしたいですね。
中長期的には、変わらずジェネラリストとして、マネジメントで会社を引っ張っていけるような存在を目指したいと思っています。
常に「伊藤をアサインして良かった」と思ってもらえるように、結果を残すことにこだわり続けたいですね。
※本記事は2023年11月2日に公開しており、記載情報は現在と異なる場合がございます。
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