NYLE ARROWS

検索
採用サイト

個のマーケティング知見を全社の知識資産に。「ナイル横断ウルトラナレッジ」

日々の業務を通じて、部署ごと、プロジェクトごとに溜まっていく知見は、組織にとって重要な財産です。
優れた技能を持ったベテランの暗黙知や、専門性が高く属人化しがちなノウハウを共有できれば、組織の生産性は飛躍的に向上するでしょう。

しかし、ナレッジを蓄積する場がなかったり、あっても使いにくかったり検索性が悪かったりすると、ナレッジを共有する文化はなかなか浸透しません。
複数の事業部があり、多様なプロジェクトが同時に走るナイルでも、溜まっていくナレッジを活用しきれていないことは課題のひとつでした。

「ナイル横断ウルトラナレッジ」は、そうしたナレッジ共有の課題にメスをいれ、各事業部やチームが得た知見やノウハウの共有を仕組み化する取り組みです。このプロジェクトを主導した宮澤徹、田辺純一、工藤択斗の3人に話を聞きました。

宮澤徹(みやざわ とおる)
デジタルマーケティング事業部 コンサルティングユニット上級マネージャー
人材系、旅行系会社にて、営業からSEO担当、WEBマーケティング全般を担当する。2020年にナイルへ入社。デジタルマーケティング事業部のWebコンサルタント及びマネージャーを経て現在はコンサルティングユニットの責任者を務める。

田辺 純一(たなべ じゅんいち)
自動車産業DX事業部 セールスユニット上級マネージャー
新卒で保険会社の営業に従事し、2019年にナイルに中途入社。中古車セールス立ち上げを経て現在はセールス全般のマネージャーとしてリード。

工藤択斗(くどう たくと)
メディアテクノロジー事業部 VPoE
2012年にエンジニアとして入社。コンサルティング事業のアクセス解析やコンテンツ管理のツール開発に携わった後にナイルを退職。起業し受託開発や飲食店立ち上げなど経験し、2017年にナイルへ再入社。電子コミックサービス立ち上げの開発責任者などを経て現在はVPoEとしてエンジニア部門の責任者を務める。

縦割り組織ならではの課題「ナレッジのクローズド化」を解決する

――今日は3事業部のマネージャーに集まってもらって、社内横断知見共有プロジェクトについてお話を伺います。そもそも、このプロジェクトはどんな経緯で発足したのでしょうか。

宮澤ナイルでは、各事業部がさまざまな取り組みをしていて、それぞれの部署内にたくさん知見が溜まっています。それを全社的に活用しきれていないことに、もったいなさをみんなが感じていました。
各事業部で知見を隠しているわけではないし、出したくないわけでもないけど、知識を集めて共有する場がなかったんですよね。

工藤:Slackで情報を共有してはいましたが、それは各事業部内に留まっていました。知見共有の場がオープンチャンネルになっていても、そのチャンネルの存在を知らなければ見に行かないので、全社の誰もがアクセスできる状態にはなっていなかったんです。

田辺:ただ、Slackだと古い投稿はどんどん流れていってしまうので、後から必要な情報を探すのがたいへんという声もよく聞きましたね。
ひたすらチャットをさかのぼるか、記憶をたどって単語で検索するしかないので、目的の情報にたどり着けないことが多かったんです。

宮澤徹

――では、各事業部の情報共有に関する課題感が一致して、プロジェクト化したのでしょうか。

工藤:そもそもは、僕らが経営幹部育成プログラム「NNX」の13期で、何か議題を出そうとして話し合ったのがきっかけです。

<参考記事>
【ナイルの組織】経営会議と「NNX」 – やっててよかった社内制度 その1

3人で議論していて、エンジニア組織のナレッジを全社で共有できていないのがもったいないんじゃないかと、僕が議題を出しました。
エンジニアがいるメディアテクノロジー事業部、自動車DX事業部が各々で同じようなことに悩んでいると感じていたので、お互いにコミュニケーションをとってアドバイスし合えばいいんじゃないかと思って。

実際にこのことを経営議題として挙げたところ、「せっかくやるなら3事業部全体で使えるマーケティングの知見から始めたほうがいいんじゃないか」とアドバイスをもらって、マーケティング知見を全社共有する取り組みとして話が進んでいきました。

田辺マーケティングに関しても、組織が縦割りで知見が活かしきれていなくて、ナイル全社として持っているポテンシャルが引き出せていないところに経営陣の課題感があったようですね。

宮澤:そうそう。それで改めて話し合ったときに、どの部署もナレッジ共有に関して潜在的な課題を抱えていることがわかったんです。そこから改めて経営に提案してプロジェクト化し、ツールの選定から始めていきました。

田辺:全社でのナレッジ共有にあたっては、ツールの選定も重要でした。マーケティングのナレッジ共有だけではなく、将来的には部活動の情報共有、入社研修に使える資料など、マーケティング以外の領域まで拡張した際の見やすさまで考慮しています。
いくつか比較検討して、最も汎用性が高く、使い勝手が良さそうだったNotePMを選びました。

NotePM画面

既存のツールやポータルサイトとは目的に応じて棲み分け

――プロジェクトのメンバーはどのような面々なのでしょうか。

宮澤:全社横断での取り組みになるので、まずは組織や人材開発を管掌している執行役員に入ってもらって、さらに僕らで各事業部のメンバーをアサインしました。

工藤:そうですね。メンバーでキックオフを行い、そこである程度マイルストーンも決めて、まずは2022年の3月までに100本分のマーケティング知見を貯めることを目指しました。

田辺:何もマーケティング知見が入っていない状態で全社員を招待しても定着しません。なので、事業部で呼びかけて協力を募り、地道に知見を追加していきました。呼びかけた人はみんな協力的で、進んで投稿してくれましたよね。

宮澤僕らと同じで、みんな潜在的に課題だと感じていたんでしょうね。特に入社歴が浅いメンバーは、ナイルの知見を開示してもらえるならと、喜んで参加してくれました
各事業部のGoogleDriveやSlackに散っている過去のナレッジも、NotePM内でコンテンツ化しています。

田辺純一

――デジタルマーケティング事業部(以下、DGM事業部)では、事業部内Wikiがすでにありましたが、それとの棲み分けはどのように考えていましたか。

宮澤:DGM事業部内Wikiもマーケティング情報のナレッジ共有のために作られたものなので、今後はNotePMに完全統合していく予定です。

<参考記事>
ナイルSEOコンサルの関門、新メンバー向けオンボーディングプログラムとは?

――“エンジニアWiki”みたいなものは別であったのでしょうか。

工藤:全社共通で使っているものはなくて…。ConfluenceやBacklog、GitHubなど、プロダクト別に好きなツールを使っていました(苦笑)。なので、事業をまたいで使えそうなノウハウはNotePMで共有していくつもりです。

見たくなる、来たくなる場所を目指して、初動コンテンツを作成

――プロジェクト進行にあたって、特に意識したのはどんな点ですか。

田辺:NotePMに鮮度の高い情報が常にある状態を作るには、「NotePMを見に行く」ことを習慣にしてもらう必要があります。
事業全体に活かせるマーケティングの知見を共有するっていうのは大前提ですが、ちょっとおもしろいコンテンツがないとなかなか頻繁にチェックしようとは思わないので、初動のコンテンツづくりには時間をかけました

その結果、NotePMで今一番見られているのが、「五反田のおいしいレストラン紹介」なんですよ。これはマーケティングナレッジ共有とは別の、おもしろコンテンツとして作ったものなのですが、結果的に社内のニーズがあったのはこういうテーマだったのはご愛嬌です(笑)。

某社員が更新し続けている、五反田レストラン情報

――五反田で働く私たちにとっては気になるテーマなので、つかみとしては良かったと思います(笑)。

工藤:そうですね。まず興味を持ってもらう意味では良かったです。ただ、それでもまだ一部の社員にしか使われていないので、まずは今使ってくれる人の閲覧頻度を上げることが大事ですね。

また、レストラン情報のようなライトなコンテンツがあることによって、見にきてくれる人は増えていますが、自分でページを作って知見を共有してくれる人はまだ少ないので、コンテンツ作成者を増やすことも次の課題だと思っています。

工藤択斗

――個々のコンテンツにコメントを残すこともできるんですね。

工藤:はい。うちの事業部(メディアテクノロジー事業部)には、毎日五反田の新しいお店で食事をして、写真と情報を上げているメンバーがいるんです。
すると、どこでご飯を食べるか悩んでいる新入社員はそれを見て、情報提供に感謝するコメントを残します。コンテンツをアップするメンバーは、その感謝コメントがやりがいになって、また新しいお店を開拓して情報をアップする。そういう好循環が生まれているんですよ。

本来の目的であるナレッジシェアでも、ログインしたときにコメントしたくなるにはどうするかを考えることが大切だと思いますね。

知りたいとき、教えたいとき、最初に開くツールに育てたい

――まだNotePMにログインしている社員は少ないとのことなので、社内プロモーションも必要ですね。

宮澤:まだあまりピンときていない人が多いようです。新入社員からは「ランチ情報が役立った」という話はよく聞きますが、「このノウハウでこの施策ができました!」みたいな話は聞いていないので、今後に期待したいですね。

田辺:セールスメンバーからは、「Webマーケティングの記事を見て、もう少し勉強してみようと思うきっかけになった」と聞きました。業務上の関わりがないところでも、NotePMを覗いたついでに読んだ記事で興味を持てたらいいですよね。そこから全社の、お互いに対する理解が深まっていけばいいなと思います。

工藤:少しずつ浸透させていって、2年後くらいにはみんなが自発的にナレッジシェアしているのが当たり前のカルチャーになっているのが理想。何かわからないことがあったら、とりあえずNotePMを調べよう!って状態を目指したいですね

まずは、自分が発信した情報が誰かの役に立っている喜びをNotePMで感じてもらえるように、楽しんでコンテンツを投稿してくれるメンバーを増やしていきたいです。

田辺:楽しんで投稿してくれる人が増えて、いろんなコンテンツが増えていけば、自然とナレッジが積み上がっていきそうですね。

宮澤:NotePMですべてが解決しなくても、そこからコンテツを作成した本人に直接質問しにいける文化を作ることが理想。業務で関わったことがない相手でも、NotePMでノウハウを公開していれば相談しやすくなる気がします。NotePMをきっかけに部署を越えた社員間の交流が生まれれば、こんなにうれしいことはないですね。