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ナイルな日常

ビジネスマンが絶対に囲碁をやるべき5つの理由と、ナイル囲碁部へのお誘い(前編)

ナイル株式会社 囲碁部 部長の土居健太郎と申します。囲碁部の部長に加え、会社の取締役も兼任しています。

突然ですが、当社では囲碁有段者(できれば高段者。元院生など超歓迎)の人材を募集しています。条件は「当社が募集している職種の要件に該当する方のうち、ちゃんと仕事ができるだけのスキルやポテンシャルがあり、かつ当社の事業やカルチャーに共感していただける囲碁有段者」たったこれだけです。みなさん奮ってご応募ください。

応募はこちらからどうぞ→  新卒採用 / 中途採用 / アルバイト採用

当社の囲碁部について簡単に説明しますと、部員は現在私を含めて1名ほどでして、部活認定されていません。今のところは個人の趣味です。でもなんか団体戦とか企業対抗戦とか出てみたいんです。よろしくおねがいします。


↑先日、「ヒカルの碁」監修でも有名な女流棋士の吉原由香里先生との対局機会を役得でいただいたときの写真。ここで着手してる黒石の一団がこのあと切断されまるごと取られて50手くらいで碁がほとんど終わります。
そのときの様子はこちら:
囲碁と瓦そばとインターネット(前編)囲碁棋士・吉原由香里×ナイル株式会社・高橋飛翔
囲碁と瓦そばとインターネット(後編)囲碁棋士・吉原由香里×ナイル株式会社・高橋飛翔

自分の囲碁歴は、1年間のブランクを含め3年ほどです。2015年4月、「ヒカルの碁」を久しぶりに読み返し、囲碁入門アプリをいくつか使ってなんとかルールを覚え、5月に初めて碁石を触り、9月から女流棋士の先生やアマチュアのインストラクターの指導碁を受け始め、同年12月に初段(棋院認定)をとることができました。

と、そこまではそれなりには順調でしたが2017年はいってくらいから棋力が全く上がっている実感持てずアマ三段くらいでずっと足踏みしており、モチベーションの低下から1年ほど囲碁から離れていた時期がありました。最近はようやくちょっとずつ復帰して7月には1年ぶりくらいに指導碁も受けるなど徐々にモチベーション高まってきてるので、再び高段認定を目指して頑張っていく所存です。


「ヒカルの碁」21巻より ©ほったゆみ,小畑健/集英社

↑まさにこんな感じ 。

さて、ここ数年、Alpha Goの出現によりAIの文脈を中心としてではありますが囲碁の話題が増え、それをきっかけに囲碁という競技に興味を持った人も少なくなかったと思います。

囲碁には「ルール」はたったの5個しか存在せず、その理解そのものはめちゃくちゃ簡単ですし、なにより囲碁はゲームとしてすごく面白いんです。自由度が高くてそのぶん戦略性が高いし、個人の性格やメンタル状況も思いきり出ます。

ちなみに、自分は小さい頃に将棋が好きでけっこうやってたのですが自分にとっては囲碁のが好きです。3月のライオンも全巻買って読んでて面白いんですがやっぱりヒカルの碁のほうが好きです。

しかし、実際にやってみようとした人のほぼ全てが15分以内に挫折するのが囲碁。入門しようと近づいたら門が想像以上に分厚く見えてしまって、入ろうとすら思えなくなるのが囲碁。僕も過去に3回くらい「やろうと思ったけどよくわかんないからやっぱいいや」を経験しました。

なぜ囲碁はハードルが高いのか

なぜハードルが高いか?というと、自分の経験では

・プロが打ってる盤面見ても何がおきてるかサッパリ意味わからない
・何がどうなったら勝ち、っていうのが直感的にイメージできない
・特に生き死にの意味が全くわからない。「え、ここ白の陣地じゃないの?」みたいな

あたりが大きいのではないかと思います。


やったことない人が見ても何やってるのかサッパリ分からない

たとえばオセロだったら白と黒かぞえれば勝ち負けわかるし将棋でもどっちが攻勢とかどっちが危ないとかなんとなくイメージできる。しかし囲碁はただ白と黒の石が(知らない人から見たら)全くの無秩序に置かれていってるだけみたいなので全然わからないんです。

囲碁は「陣取りゲーム」です。

黒石で囲われた領域が黒地、白石で囲われた領域が白地で、終局時に地が多いほうが勝ち、というゲームです。しかし、それに加えて「白石を黒石で囲まれると石が取られ、その石は相手のポイントとして加算される」という点が直感的な理解を難しくします。石の生き死にを理解しないと意味がわからないためです。

ちょっと実際に盤面をみてみながら。


たとえばこれは白地(白石に囲まれた陣地)、黒地(黒石に囲まれた陣地)がわかりやすいと思います。しかし、


こーゆー風に切って切られてとか攻め合いとかが発生してごちゃごちゃし始めたりするとどうなってるかわからなかったりしませんか。

この局面ではいま赤ポチがついてる白石の左側に固まってる黒石の一団は既に「白に取られている」石で、上辺(図の上の真ん中らへん)から左下にかけて白石が連なってる部分全てが白地になっており、その中に点在する黒石はすべて白に取られています。

また別の例では、


白はここで投了して負けるわけですけど、もはやなにが起きてるのか意味不明だと思います。これは「大きな白の領地になりそうな白石群のど真ん中に黒石を打ち込んで、それを白が殺しにかかるも奇跡的なシノギで強引に黒が生きた」みたいな図で、もうこの黒がこの場所で生きてしまっては白地が全く足りないので白が投了、という場面です。わけわかんないですよね。

このように「対局中の盤面とか終局図を見ても何が起きてるか意味がわからない」がこのとっつきづらさの最大の要因として挙げられるかと思います。

※最後の盤面はヒカルの碁でプロ試験でヒカルと和谷の「この黒が生きればおまえの勝ち この黒を殺せばオレの勝ち!」の対局の場面で使われてた棋譜。黒のシノギが芸術的で個人的に好きな棋譜です(自分で棋譜入力したんですが序盤1手入力間違えてました)。


「ヒカルの碁」11巻より ©ほったゆみ,小畑健/集英社

↑この対局ですね。ヒカルの碁の棋譜はほぼ全てが実在する棋譜の再現で、序盤のヒカル(佐為)が打ってる棋譜の多くも実は作中で歴代最強棋士と言われている本因坊秀策の実際の棋譜だったりします。作中の対局の棋譜をまとめてるサイトもありました。
https://igobook.info/2018-07-16/Hikago_kihu_TopPage.html

すみません、話戻します。

とはいえ、一度ルールを覚えて対局できるまでいったらめちゃくちゃ楽しくなるのも囲碁。なので最初の入門を頑張ってもらいたいのです。

どうすればハードルを超えられるか?については自分の経験からこういうのがとても良いんじゃないかと考えます。興味はあるよという人は騙されたと思って1週間くらいでちょいちょい時間作ってやってみてほしいです。

入門者→初心者までの手順

・囲碁入門アプリでひととおりチュートリアルを終える 2~3回やってもいい
・狭い9路盤のCPU対戦とかででルールを実践してみてルールの意味を知る
・詰碁、死活の意味を知る ちゃんと守りが必要なことを覚える
・13路盤のCPU対戦とかでなんとなく隅っこのほうを大事にして自分の陣地をわかりやすく確定させていく感覚を覚える
・19路盤のCPU対戦でなんとなく囲碁っぽい形の終曲図を作る
・隅とか辺の地にこだわりすぎると中央で好き放題広げられる感覚を覚える
・実利(確定地)と厚み(というか外勢?)についてなんとなく感覚で理解する
ここまでで「とりあえず囲碁の面白さが何となくイメージできる」です。1~2週間、あるいは覚えが早いとかまとまって時間とれる人なら2~3日もあればここまでいけると思います。

その後は対人でも(ネット対局でも囲碁クエストでも)いいですし、CPU対戦でとにかく数こなすでもいいです。詰碁を勉強しても布石とか手筋を勉強してもいいですしヨセを勉強してもいいでしょう(どれ勉強しても最初はすぐ強くなるしうまくなる)。あとはそれなりに理解が進んだらプロ同士の対局をプロの解説付きで聞くのもいいです。毎週日曜日の昼にやってるNHK囲碁トーナメントを見るのがいいです。

あとは量と質の掛け合わせで上達しますし、ここまでくると好きな人は「めっちゃ楽しい」っていう感じになると思います。

入門者が上級者になるためにおすすめの囲碁アプリ

せっかくなので入門者・初心者におすすめの囲碁アプリをご紹介します。まぁいろいろあるのでなんでもいいんですが思いついたものを。

・入門者~初心者向け:入門チュートリアル、CPU対戦
囲碁教室(入門編) iOS版 / Android版
石倉昇九段の囲碁講座 入門編 iOS版 / Android版
最強の囲碁(エントリー版) iOS版 / Android版
※説明では六段クラスのエンジンってかいてるけどこれは無料のエントリー版なので最弱レベルしか選択できない。本当に「初心者向け」。

・初級者~有段者向け
石倉昇九段の囲碁講座 中級編:基礎チュートリアル  iOS版 / Android版
最強の囲碁 Deep Learning:CPU強い iOS版 / Android版
囲碁クエスト:対人対戦アプリの定番 iOS版 / Android版

「最強の囲碁 Deep Learning」はおそらくアプリの中ではCPU最強で、六段設定にするとアマ高段者の中だと本当に強いひとのレベルだと思います。もちろん、初級者レベルも設定ができるので初級者から安心して使えます。また、対局後に大まかな形勢推移を分析して表示してくれるなどもあり振り返りに便利。別タブの「棋譜分析」では一手ごとに推定勝率などもだしてくれており何が敗着になったかなどが分かるので上級者にはおすすめ。この対局では120手目くらいで白(CPU:二段)が手抜いていい箇所に手入れしたところで黒(自分)が左辺に先手で回った(赤ポチのとこ)あたりで大勢が決した、ようにグラフからは見て取れます。

「囲碁クエスト」は囲碁やってる人ならだいたいやってる対人対戦アプリ。19路もありますがほぼ過疎ってまして、9路、13路が盛ん。普通に上位ランクには現役のプロ棋士の方もちらほらいます。全く記憶ない中で12連敗とかしてたことにあとから気づくときあるので泥酔時に起動するのはおすすめしません。対人対戦の場数踏めるのと、特に接近戦の読み合いに強くなるのには良いと思います。

他にもいろいろあると思いますが一旦このへんで。

さて、みなさん少しでも「よくわかんないけど囲碁ちょっと面白そうだな」と思っていただけたでしょうか。
で、ここからようやく本題なのですが、長くなったので後編に続きます。それまでになんか適当な理由5つくらい考えておきます。

(つづく)

後編:ビジネスマンが絶対に囲碁をやるべき5つの理由と、ナイル囲碁部へのお誘い(後編・こっちが本題)

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