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称賛が当たり前に行き交う会社に――ナイルの文化を作った「You Are The One」って?

Culture
カルチャー

2011年6月に誕生したナイルが誇るピアボーナス制度「You Are The One」(通称YATO)。「〇〇してくれてありがとうございます!」「今月もお疲れ様でした!」「〇〇達成、すごいですね!」などなど、メンバーからメンバーへ、感謝や労い、称賛の言葉をポイントともに贈り合います。

誕生から10年が過ぎ、社内ではYATOを通したポジティブなコミュニケーションが定着。いわゆる上司からの評価とは別に、メンバーが互いを称え合う文化がしっかり根付いていることを感じます。

今回は、今やナイルにとってなくてはならないYATOの誕生秘話と、YATOがどのように使われ、どのような効果が生まれているかなどについて、紹介しましょう!

贈る内容は自分次第。もらったポイントは給与にも反映される

まずは、YATOがどういうシステムなのかについて。
YATOには、専用のプラットフォームが設けられており、そこから贈りたいメンバーへ向けてメッセージ&ポイントを送信します。メンバー個々に月1,000ポイントが付与され、毎月その中から、相手へ贈るポイント数を都度任意で決めていく形です。
そして、贈られたポイントはお金に替えられ、半期に一度、ピアボーナスとして給与に反映されます。

どういうシーンでYATOを贈るかには決まりがないため、入社したばかりの頃は戸惑う人が多いようですが、「今日はいっしょにランチしてくれてありがとうございます!」といったライトな内容もよく見られます。
つまり、「うれしいな」「ありがたいな」「この人すごいな」と思ったらYATOの贈り時、ということですね。

YATOのコメントはすべてのメンバーが閲覧できます。

また、贈るポイントも、やはり“気持ち”なので決まりはなし。ただ、感謝や称賛の気持ちが大きいほどポイントが高い傾向はあります。筆者の個人的な指標でいうと…

  • 「窓閉めてくれてありがとう」「労いの言葉うれしかったです」など、日頃の心遣いにまつわること
    39(サンキュー)~100ポイント進呈
  • 「〇〇の件、すぐに対応してくれて感謝です!」「シェアしてくれた資料すごいですね!」など、直接業務に関わる内容
    100~300ポイント進呈

みたいな感じでしょうか。あくまでも個人的な考え方ですが。

また、極端&ごくごく稀なケースとして、この上なくありがたいサポートをしてもらったとき、一人に1,000ポイントを進呈してその月のポイントを一度に使い果たしたり(YATOの理想の使い方ではないですが)、逆にYATOをたくさんの人に贈りすぎてその月の贈れるポイントが足りなくなったり…といった現象が起こる場合も…。

そういう“ご愛敬”なこともありますが、最も大切なのは、さまざまなメンバーに気持ちを伝えることなのです。

社員の評価や成果は上司が見ていることだけではない

そもそも、なぜYATOという制度ができたのでしょうか。
発起人はナイル代表・高橋飛翔。米P&Gが導入している社員同士が讃え合う風土を醸成・維持する仕組み「パワー・オブ・ユー」がきっかけだったといいます。

高橋

当時から強い組織を作ることに興味があって、P&Gの『パワー・オブ・ユー』というサンキューカードの制度を記事で読んだんですよね。

称賛や感謝などが当たり前に行き交う、気持ちのいい会社にしたいという思いがあったので、これをWebサービス化したら良い文化の醸成につながるんじゃないかと感じました。

あとは、上司が見ていることだけが社員の評価や成果ではないので、社員同士が互いの良さを認め合って、それを給与に反映できるようにしたかったんです。

この代表のアイディアを形にするべく、初代YATOプラットフォームの開発を担当したのが、当時ナイルに在籍したエンジニアで、現在はファンズ株式会社のCTO・若松慶信(わかまつ よしのぶ)さんです。

若松

入社間もないある夜、代表や当時の上長とラーメンを食べに行ったときに、代表からYATOのアイディアを聞きました。

「いいですね!」と答えたところ、その場で代表から「じゃあやろう!」といわれ、プロジェクトがスタートしたのは今でも記憶に残っています。

あえてオープンな場で称賛し合うことで、いっしょに仕事をしていないメンバーがどういう活躍をしているかがわかるようにすること、ポイント制にしてインセンティブを与える設計にすることなどの仕組みは、プロジェクトの初期から明確になっていました。

YATOローンチ時のメンバーの反応は…?

若松

YATOローンチ時のメンバーからの反応は好意的でしたね。新しいものということもあり、使う人は多かったです。

時間が経つにつれて使われる頻度が低くなると、メンバーの中からYATOを使うようにと呼びかけるメンバーも出てきて、YATOを使って称賛する文化が徐々に浸透するようになった印象があります。

YATOはメンバー同士で称賛し合うカルチャーを浸透させるきっかけになったと思いますし、ナイルを卒業した今でもとてもいい制度であったと感じています。

裏で会社を支える人たちにもフォーカスを当てられる

YATOの運用ももうすぐ12年目。今では数少なくなっているYATOの立ち上げ時を知る現役社員、メディアテクノロジー事業部の三好理子(みよし さとこ)にも当時の話を聞いてみました。

三好

最初は使い方が難しいというか、ポイントってどれくらい贈ればいいのかな…みたいな感じで、みんな探り探りやってましたね。

その頃は毎月のポイントを使い切らなければならないというルールもあったので、結構必死だった記憶があります(笑)。

ただ、別の部署の人とか、普段あまり関わらないメンバーに何かしてもらったときに、ポイントで感謝を伝えられるのはいいなと思いましたね。

ただ「ありがとう」だけじゃなくて、どういうことに対して感謝しているのかを伝えられるのが良かったというか。

自分がポイントをもらったときにも、「それ褒めてもらえるとこだったんだ…むしろありがとう」みたいな気持ちにもなりますし。

実は彼女、毎年行われる設立記念パーティーで、年間で最もYATOポイントをもらった人に贈られる「You Are The One賞」を3年連続で受賞し、初の殿堂入りを果たした人物でもあります。

三好

例えば、売上を立てる職種の人たちは、普段から褒められたり、おめでとうと言われたりする機会があると思うんですけど、YATOは裏でがんばっている人たちを称えるためのツールでもあると思っていて。

細かいことでも、誰かに尽力してもらったことに対して、オープンな場で感謝の気持ちを伝えられる

私はかつてデジタルマーケティング事業部でメンバーのサポートをする立場だったので、どちらかというとポイントをもらいやすい人ではあったと思いますけど、自分としてはすごいことをしたわけでもないので、(賞をもらうことは)すごく恥ずかしかったです(笑)。

とはいえ、これは当時いっしょにサポート業務をしていた仲間を代表してもらった賞だと思っていたので、賞金でみんなとランチに行ったりしていました。

2015年頃のYATO賞ランチにて。

単純にもらうとうれしい――幸福しか生まないツール、それがYATO

2017年には、(5回以上の頓挫を経て)YATOプラットフォームがリニューアルされると、さらに使い勝手も良くなり、現在ではほぼ毎日誰かしらがメッセージを贈り合うツールとなっています。

2022年にYATO賞を受賞した2人、デジタルマーケティング事業部の宮澤徹(最もポイントを贈った人)と青木創平(最もポイントを贈られた人)に、現在YATOをどのように捉え、活用しているのかを尋ねました。

宮澤

入社した頃に上長からYATOをもらったりして、すごくうれしかったんですよね。なので、自分も入社した月から継続的に贈ることを意識していました。

感謝を伝えることだけじゃなく、事業部のメンバーに「1ヵ月お疲れ様」みたいな形で贈ることが多いですね。

派遣さんやアルバイトの方へはポイントを贈ることはできないのですが、メッセージだけでもと贈ることがあります。

青木

僕は、助けていただいたときに贈ることが多いです。

法務や経理、総務などバックオフィスの方は、業務の上で恩返しすることができないので、その代わりにYATOを贈ろうと思っています。

社内のことについて協力するのは当然ではあるのですが、ポイントという形で感謝を伝えるシステムがあると、躊躇することなく質問したり助けを求めたりしやすくなりますし、そういった仕組みが組織に根付いているのはいいなと思いますね。

宮澤

YATOをもらわないからどうということではないですが、YATOをもらえれば素直にうれしいですし。

青木

めちゃくちゃうれしいですよ。

僕はもらったYATOのコメントを月末にまとめて見ることが多いのですが、コメントを見ながら「あのときのことかな?」と出来事を思い返しながら見るのが好きです。

<YATOリニューアルについての記事>
【エンジニアのプロマネ術】感謝称賛をポイントで贈る社内制度「You Are The One」

<宮澤が登場した記事>
事業会社のWebマーケターからコンサルへの転身、そこで感じたメリットは?

<青木が登場した記事>
事業部横断で引っ張りだこ!社内随一のSEO知識を持つ元Webコンサルタントの今

普段から、誰もが「ありがとう」と言ったり言われたりしていると思いますが、それをYATOのメッセージとポイントという“形”で表すことができると、贈る側は気持ちが良く、贈られる側はうれしい&自分が取り組んでいる業務への確信も得られるというのが、実際に活用しているメンバーたちの声。

社員数が増えている上、リモートワークがメインとなっている今、多くのメンバーと交流することがなかなか難しい昨今ですが、YATOを通じてさまざまな人の動向を少しでも知ることができるのもメリットです。当たり前に称賛が行き交うナイルのカルチャーの象徴として、YATOはますます活用されていくでしょう。