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ナイル社員が書籍を出版!「ウェブテストの教科書」はどう作られた?

ナイル社員が書籍を出版!

スマートフォンメディア事業部の針替健太が、書籍「Googleオプティマイズによるウェブテストの教科書」を共著で執筆し、2018年11月27日に出版されました。

本を出すって、憧れませんか?いったいどのような経緯で出版に至ったのか、仕事と執筆の両立はどうしたのかなど、気になることを余すことなく聞いてみました!


針替健太

スマートフォンメディア事業部
Applivメディア責任者

国内最大級のアプリ情報メディア「Appliv」の立ち上げから関わり、オペレーション構築やWeb解析、SEO、広告運用などを行う。ナイル入社前は、釣具屋に就職しようかと迷ったほどの釣り好きでもある。

 

「Google オプティマイズ」って何?

Googleが無料提供しているA/Bテストツールのこと。例えば、Aパターン、Bパターンどちらのクリエイティブに反応があるかをテストできる。

 

日頃の業務が執筆のきっかけに

――Google オプティマイズに関するハウツー本が出版されましたが、どのような経緯で執筆することになったのですか?

Applivでは、外部アドバイザーとして小川卓さんに分析などのお手伝いをしていただいています。その小川卓さんが監修者で出版が決まって、執筆者を探していたとき、ナイルに声をかけていただいたという経緯です。

会社として話をもらったのですが、私が一番、Google オプティマイズを社内で使用していることから、「針替やってみれば?」という感じで話をいただきました。

――そのときの気持ちは?

本を書いたことなんてないので、「自分に務まるのかな?」と。あと、Applivの責任者に就任して間もない時期だったので、業務に影響が出るんじゃないかと、迷う気持ちもありました。

ただ、こんなチャンスは滅多にないし、Google オプティマイズの機能はマニアックな使い方も含めて一通り使っていたので、なんとなくできそうな自信もあり執筆を決意しました。

――会社としては、書籍出版にどのような反応でしたか?

普通は業務に支障をきたすとか懸念されると思うのですが、取締役の土居からは「書けば?」とか「滅多にないからごっつぁんするといいよ」とか、問題なくOKでしたね(笑)。

Google オプティマイズは信頼性の高いツール

――Google オプティマイズって具体的にはどのようなことができるのでしょう?

Googleオプティマイズでは3種類のテストができます。
「A/Bテスト」では、一部の要素を変更したWebページを、数パターン比較することができます。「リダイレクトテスト」ではデザインが大きく異なるWebページの成果を比べたり、「多変量テスト」では複数の要素を変更して、最適なパターンを導くことができます。

出典:Optimize ヘルプ(テキストは一部修正)

――使い勝手はいかがですか?

オリジナルと比較するための新しいパターンが非エンジニア、非デザイナーでも簡単に作ることができるのが強いですね。

また、AとBでどれだけの違いがあるかのレポートも自動でやってくれて、「99%の確率でこちらのパターンを推します」といった判断をしてくれるので、信頼性も高いです。

――Google オプティマイズによって、できることが増えそうですね。

今までA/Bテストツールは有料のものが多かったのですが、Google オプティマイズが無料なのは大きいと思います。WebサイトやWebサービスを全般的にレベルアップして、検索を通したWeb体験を良くしていこうぜというGoogleからのメッセージだと勝手に受け取っています。

Webでビジネスを展開しているなら、テストを行い、体験を良くしていくべきだと思います。これからはWebテストが一般化していくんじゃないかと思います。

 

Google オプティマイズのレポートページ。
 

社内での運用が執筆する自信につながった

――Google オプティマイズを社内で使用することになったきっかけは?

Googleオプティマイズが出てくる前から、ApplivではA/Bテストは行っていました。しかし、エンジニアにパターンを作ってもらって、ユーザーによって見せるページを変えるよう実装してもらったり、けっこうアナログな感じでしたね。

パターンごとの数値計測もGoogleアナリティクスの機能をごりごり使って頑張っていました。テストって毎回新しいパターンを採用するわけじゃなく、新パターンが負けることもしょっちゅうあります。そういった、残らないものを開発してもらう申し訳なさもありましたね……。

やり方に課題を感じてはいたものの、有料ツールはそれなりに高いので、そんな体制を続けていたとき「Googleが無料でABテストツールを出すぞ」というニュースが流れました。関係者で「これだ!」って盛り上がって速攻でベータテストに申し込みましたね。

――Applivでは、どのような形で活用されたのでしょうか?

「Google オプティマイズを使いこなして成果を上げる」というミッションを設定されたこともあって、リリース当初から本当にいろいろと使いまくりました。

例えば、これまでは1つのアプリについてたくさんの要素を盛り込んでいたのですが、「こんなにたくさんの情報は必要ないんじゃないか」という仮説があったので、要素を減らしてテストをしてみました。

そうしたら、要素を減らしたパターンのほうがストアへの誘導率がすごく良かった。アプリを複数紹介するリスト型の記事なら、ちょっと物足りないくらいのほうが興味を持ってもらえると、かなりわかりやすく結果が出ました。

――そのような経験が、書籍の執筆にも活かされたんでしょうか?

Google オプティマイズを一通り自分で使った後、エンジニアやデザイナー、ライターなど職種問わず勉強会を行いました。

社内でGoogle オプティマイズを使える人や理解している人を増やしたほうが、共通言語になっていろいろと便利になると思ったんです。そこで、人に教えることもできたので、本もどうにかなるかなって(笑)。

――人に教えることで、Google オプティマイズをより使いこなせるようになりそうですね。

そうですね。ABテストは仮説を立てることがまず大切なのですが、自分だけだとどうしても視点が偏りがちなんですよね。

でも、みんなが使えるようになることで、違う性別や年齢からの発想が出たり、エンジニアやデザイナーなら、彼らにしかできないような難しいテストができたりと、有意義に活用できると思います。

どんなにツールが優れていても、それをどう活用するかは、人間が頭を使わなければならない部分ですね。

両立できたのはチームの理解があったから

――執筆はどのように進められたのですか?

業務連絡はFacebookグループで行われて、執筆はGoogleドキュメント、画像ファイルはGoogleドライブに保存といった感じでした。書籍って漠然とアナログなイメージがあったんですが、こんなにもデジタルなのかと驚きました(笑)。

実際の書籍デザインに落とし込んだゲラ刷りをもらってからは、本になってからのデザインも踏まえてチェックして、最終的に4回くらい校正を重ねました。何回チェックしても、誤字・脱字や気になる表現が見つかるので、本になって発売されている今も、何か見つかりそうで怖いです。

――執筆と仕事との両立はどのように?

基本的には仕事の合間を見て書いていましたね。ただ、締切り直前などは、自宅で執筆に専念させてもらったり、ミーティングをずらしてもらったりと、チームも事情を知っていたので、融通を利かせてもらってなんとかなった部分もありましたね。

――執筆作業はたいへんでしたか?

僕の担当した章は、流れさえ決めてしまえば、そんなに筆が止まるようなことはなかったです。ただ、困ったのはプロフィール。ほかの皆さんは、会社を起こしたとか代表取締役とか、経歴や実績を書かれているのですが、僕はそんなに書くことがない。それで、社内の何人かに相談して、「毛色を変えて、若さと存在感を出して行こう!」みたいなチャレンジをしてみることにしました。
プロフィールも見どころなので、ぜひ書籍を手に取ってみてほしいですね(笑)。

Googleオプティマイズによるウェブテストの教科書


Google オプティマイズを導入・活用し、サイト改善に役立てるためのハウツー本。
著作者名:井水大輔、大柄優太、工藤麻里、瀧里絵、針替健太、松本大河
監修者名:小川卓、江尻俊章
価格:2,678円(税込)書籍版/電子版
https://book.mynavi.jp/ec/products/detail/id=99603

出版記念セミナー開催!

日時:2018年12月13日(木)19:00~21:00(18:00受付開始/18:30開場)
会場:マイナビルームB(新宿ミライナタワー12F)
定員:100名
受付期間:2018年12月11日(火)24:00まで
登壇者:小川卓(HAPPY ANALYTICS)
井水大輔(エスファクトリー)
大柄優太(マリンロード)
工藤麻里(日本ビジネスプレス/HAPPY ANALYTICS)
瀧里絵(NRIネットコム)
針替健太(ナイル)
Tiger(松本大河)(パイプライン)
※現時点での予定です。登壇者は変更になる可能性があります。

詳しくはこちら
『Googleオプティマイズによるウェブテストの教科書』出版記念セミナー

※本記事は2018年12月3日に公開しており、記載情報は現在と異なる場合がございます。