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ベンチャー人事は組織のエースが担うべき。スーパーエース土居が語る、これからのナイル組織の作り方

※注:記事タイトルは本人指定

ナイルでは、四半期ごとに全社経営会議を開催しています。会社全体やそれぞれの事業部の中長期的な展望の共有や意見交換を通じ、社員それぞれが経営を自分事として捉えることを目的としたもので、最近では2019年4月に行われました。社内の組織開発を担う社長室では、室長の土居がナイルの組織づくり方針について発表しました。今回はその内容をもとに、組織づくりにかける思いや実際の取り組みを土居が改めて解説します。

ナイル株式会社
取締役 社長室室長
土居 健太郎
2008年に東京大学工学部中退後、フリーターとして活躍。2009年、成り行きでナイル株式会社に入社。デジタルマーケティング事業立ち上げ、「Appliv」サービス責任者、「Applivマンガ」立ち上げなどを経て、2019年1月に社長室室長に就任、人事責任者として主に採用と組織開発を担当。囲碁歴4年。現在、囲碁将棋チャンネルの人気番組「棋力向上委員会 The Passion!」にチャレンジャーとして出演、アマ五段を目指して奮闘中。

組織の軸を示し、判断に一貫性を持たせる

――全社経営会議では、「これからのナイルの組織づくり」について発表しましたが、どのようにして考えられたのですか。

2018年7月から、新規事業の立ち上げと兼任で組織開発の責任者を担うことになったんですよね(2019年からは人事専任)。その時期に経営陣と人事で今後の組織づくりについて考える「組織開発会議」を行ったのが入口です。ブレストでは「ナイルで歓迎する素養」や「現時点で足りないもの」などを、キーワードレベルで挙げていきました。“数字に強い”“論理的”“オープンなコミュニケーション”などいろいろ出ましたが、それらは“事業をつくれる”とか“ベンチャースピリット”といったものに集約されていきました。つまるところ、2018年に刷新した企業ビジョンにある「事業家集団」に帰結したんです。ならば組織開発も事業家集団にフォーカスしようとなりました。

数字に強い、投資対効果、オープンなコミュニケーション、専門性の追求、他者へのリスペクト、カッコイイマネージャー、周りが優秀な人ばかり、など好き勝手ブレストした結果

ブレスト中。誤字があったり字が汚いのはご愛嬌

――ナイルの考える“事業家”の持つマインドとは。

「壁に立ち向かう気概」です。事業に困難はつきものだから。それに、順調な時より、周りと意見が食い違う、プロジェクトが思ったように進まないなど、苦しい時にその人の本質は表れるものです。ナイルは事業家集団である以上、困難を楽しんで、自身やチームの成長機会と捉えて挑んでほしい。

軽々と壁を乗り越えろとは言いません。しんどい、大変だ、どうしたらいいか分からないというのなら、弱音を吐いたって構わない。その時は周りがサポートすればいいのだから。けれども「それは自分の仕事じゃない」と目を逸らす、壁から逃げる、あるいは面倒な気分で壁と対峙するのは違うんじゃないかって。そういう人はナイルには合わないと思う。嫌な思いをしながら、我慢して働いてほしいわけじゃない。そういった場合は違う環境に移ったほうがお互いのためです。逆に壁を面白がることができるのなら、スキルや結果は後からついてくると思っています。

――その考えを模式化したのが、全社経営会議でも登場した図なんですね。

私たちは、「社会に根づく仕組みを作り、人々を幸せにする」というミッションのもとに集まっています。だから一人ひとりのベクトルはミッションに向いている必要があって、かつ実現に近づけるようにできるだけ長くありたい。それを図に示しました。

ナイルに対する社内外の正しい認識を醸成し、ブランドとレピュテーションを育む。ミッションに向かう方向にベクトルを揃え、その長さを伸ばす。事業家たる人材を母集団として、そのリーダーとなる存在を発掘、育成する。ミッションに向かうベクトルを持たないフリーライダーや評論家的社員が寄り付かない会社にする。そのようなことを通じて「自分たちが何者なのか=ナイルらしさとは何か」が生まれ、カルチャーとして定着していく。

言語化は得意だけど図式化は苦手 by 土居

組織開発会議をしている時に、“組織の純度”が話題になりました。ナイルはベンチャーとはいえ設立13年目になるし、既存事業では利益も上げていて、社会的にもそれなりの評価をいただいているようにも思えます。組織が拡大フェーズにあることを踏まえると、組織に所属することや働いて給料をもらうことそのものが目的になる人が出てきてもおかしくありません。今の段階では会社が何かを成し遂げたわけはないですし、ミッションとは異なるベクトルで働く人が増えることは、成長の大きなブレーキになってしまいます。

そこで大事になってくるのが、組織の引力を適切な方向にはたらかせる仕掛けです。

もちろん全員が事業家マインドを常日頃から発揮できるのが理想だけど、自然に任せてそうなるものだとは思っていません。というか、今までこの部分を個人や各部署に委ねすぎていた側面があって、明確な意思を持つチームになりきれていなかった。そこで私たちが起点となって、ナイルとしての価値観や倫理観といった“ブレない軸”を示していくことにしました。

――軸の部分を示すことは、どういう形で組織に関わってくるのでしょう。

自分たちがめざすこと、大切にすることがクリアになれば、こういう人を採用したいね、このやり方はうちの会社らしいね、この振る舞いはちょっと違うよねと、ジャッジの基準が生まれます。ここに一貫性を持たせようという発想です。またそうした部分のコミュニケーションは1度きりで終わらせず、継続し、習慣化させることではじめて浸透すると考えています。

 

自分たちのあり方を示し、組織に定着させていく

――実際に社長室で始めた取り組みを、教えてください。

まず、ナイルで社長室が果たすべき役割とはなんだろう、から改めて考えました。

ナイルのミッションは「社会に根付く仕組みを作り、人々を幸せにする」。ナイルの経営方針は、「100の事業を創出し、10の事業を世に残し、1つの事業で世界を変える」。ナイルのビジョンは、「デジタルマーケティングで社会を良くする事業家集団」。このうち、「事業家集団」という組織のあり方を実現することが社長室が担う役割だ、とした

そこから自分たち社長室のミッションを「『事業家集団』をプロデュースする」ことだとして定義し、2019年度の上半期は施策をとにかく走らせることで、「100人総“事業家”計画」のスローガン達成をめざしています。

スローガンは「100人総事業家計画」 本当は事業家化計画なのだけど語呂が悪いのでカットした

なにせこれまでほとんど手をつけてこなかった領域ですから、何をやってもいい。うまくいくかは分からないけれども、まずは始めてみようよという段階です。

中でも「理念やコンセプトの明文化と共有」を重点項目のひとつに挙げています。

――どのような取り組みを始めていますか。


有名な書道家に「事業家集団」とかいてもらって会社のエントランスに飾ろうとしている、とは言っていない

ナイルの経営コンセプトを解説した「ナイル経営論」、新しいミッションやビジョンに則した「新バリュー」、事業家としての振る舞いやコミュニケーションのあり方を示した「事業家ガイドブック」を3点セットと捉えて準備を進めています。7月には全員に届けられる予定です。

「ナイル経営論」は事業やベンチャー企業の位置づけ、壁に立ち向かうことなどについて、経営陣の考えをまとめたものです。テキストは対話形式で展開されています。

「新バリュー」は代表と人事でまず原案を考えて、それから他の経営陣とNNX(Nyle Next X:次世代幹部候補の育成や経営者との視座合わせを目的とした3カ月間のプログラム。選抜された社員は経営会議に参加するなど、経営の現場に触れる)のメンバーも交えて考えました。行動指針として機能するように現行のバリューよりも文言をシンプルにして、事業家であることを楽しみ、周りと協力して壁を乗り越えていくマインドを表現しています。

――「事業家ガイドブック」とはどのようなものですか?

“事業家らしい振る舞い”と言われても、具体的にはよく分からない人も多いと思うんです。そのため少し噛み砕いた内容で、求めたいマインドセットや行動姿勢について13の項目にわけ、その指針をまとめたものです。ガイドブックでは仕事中に起こり得るシーンを例に挙げ、事業家として望ましい行動、逆に避けたい行動がイラストで描かれ、ひと目で分かるようになる予定で、鋭意製作中です。

取り上げた13項目は、スキルやポジションに関係なくやろうと思えば実践できるものです。とは言え、最初から望ましい行動ができるとは思わないし、できない人がダメだと言いたいわけでもありません。むしろ、意識していなければ誰もが自然と「イケてない」行動になってしまうものだと思っています。「事業家」として自らを律して、未熟なところは改善していこう、という主旨のものです。

――3点セットはどのような使い方を想定していますか。

日ごろの業務の進め方や行動にリンクするような仕掛けが必要だと考えていて、今の時点では360°フィードバックでの活用が決まっています。これまで完全フリーアンサーだった質問項目を、事業家ガイドブックの13項目に基づいて4段階で回答する形式に変更する予定です。基準が揃うので、好き嫌いや主観に偏ったフィードバックが少なくなるだけでなく、行動面の課題や改善点が見えやすくなります。また課題となった項目は、ガイドブックを読めば望ましい行動が具体的に分かるから、改善しやすくなるはずです。

今年の6月に実施する360°フィードバックは、先行して新方式を導入します。1on1などで、ぜひガイドブックを活用してもらいたいです。

 

求めるのは理解や共感ではなく“体現”

――ナイルが事業家集団としてひと皮むけるうえで、何がカギを握ると考えますか。

マネージャーの存在が大きいと思います。組織の文化や風土は一人ひとりの日々の行動やコミュニケーションによって培われるものであり、マネージャーはその起点となる機会が多いからです。特にマネージャー同士で、判断の軸が揃っているかどうかは重要になってきます。あるチームでは称賛されていた振る舞いが、別のチームでは否定されるといったことがあっては、組織としてコミュニケーションの一貫性が失われ、やがてバラバラになってしまいます。

これまでのナイルがどうだったかと言うと、マネージャーの判断の軸は必ずしも一致していませんでしたし、部署間でもカラーが違う、判断基準も異なる、という側面もあったと思います。

――それでも事業も組織も拡大できているのは、なぜでしょう。

色々ありますが、社員の力に助けられていた部分は大きいと思います。みんな真面目だし、仕事にも精力的に取り組んでくれているので。けれども、これから大きく組織が拡大していく中で、今のあり方のままでずっと通用するとは思えない。たとえ事業は成長しても、中にいる人が楽しそうじゃない、困っている時に誰も手を差し伸べない、ベンチャーならではの機動力やオープンさが感じられないというのでは、組織としては死んでいるも同然です。

そうならないためにも、今の段階で手を打つ必要があるのです。例えばオフサイトミーティングを行うなど、マネージャー全員が一堂に会する機会を定期的に設けていきます。他の会社では当たり前のことかもしれませんが、ナイルでもそうした仕組みを取り入れる時期に来ているのかなと感じます。

 

――下半期における今後の展望をお聞かせください。

社長室では今日紹介した施策のほか、社内報の創刊や採用活動における現場との連携強化などを図ってきました。同時に内部のコミュニケーションを強化し、採用、労務・総務、組織開発でバトンの受け渡しも行えるようになってきています。まあ、まだまだバトンを落とすことも多いですが(笑)。

上半期はやり過ぎなくらいにいろんな種を蒔いたので、これからはそれらを育てていく段階です。

こうした方針そのものには、ほとんどの人は賛同してくれていることでしょう。けれども望んでいるのは理解や共感だけではなく“体現”であり、仲間とどのようにして壁を乗り越えるかを、当たり前のように考えたり話したりできる組織になるのが理想です。ただ実際はいきなりそう簡単にうまく回らないとも思っています。

下半期はそのギャップをクリアするところに力を入れたい。だからより一層、メンバーと膝を突き合わせたコミュニケーションを重視していきます。率直な意見をききたいし、みんなが何を考えて仕事しているのか知りたい。生々しい声をどんどん聞かせてほしいですね。

終わりに:ナイルを一緒に創ってくれるメンバーを募集してます!

先日15億円の大型資金調達を実施し、自動車領域への投資加え、既存事業とシナジーのあるM&Aも検討するなど、さらに事業成長を加速していきます。

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