妊娠前~出産直後まで支援!パートナーや業務フォローする社員も対象にした「妊休パッケージ」とは
ナイルでは、産前・産後休業、育児休業(産後パパ育休も含む)といった法定休業に加えて、妊娠に至る前から出産直後までにフォーカスした特別休暇と、産育休取得者の業務をフォローするチームメンバーへのインセンティブ支給を合わせた独自の制度「妊休(にんきゅう)パッケージ」をスタートしました。
結婚や妊娠・出産などライフステージの変化を迎えても、メンバーそれぞれが変わらず自身の能力を発揮し、安心してナイルで働き続けられる環境づくりを目指しているからこそ生まれた制度です。
今回は、妊休パッケージの概要、そしてこの制度が生まれるに至った背景についてご紹介します。
目次
妊休パッケージとはどういう制度?
妊休パッケージは次の3つの制度を総称したものです。
妊娠・出産をする人とそのパートナー、業務をサポートするメンバーまで包括してフォロー。
休暇を取得する人も、休暇を取る人を送り出すチームもハッピーな制度になっています。
法定の産育休と、妊休パッケージが対象とする範囲は以下の図をご覧ください。
妊休パッケージはどうして生まれた?ナイルが目指す職場環境
前項で紹介した3つの制度から成る妊休パッケージは、いかにして生まれたのかを、労務ユニットのマネージャー・髙野に聞きました。
人事本部 労務ユニット マネージャー
髙野麻友子(たかの まゆこ)
人材企業で採用事務を経験後、IT企業にて12年半に渡り、人事業務全般を担当。2022年、ナイルに中途入社。キッズケア休暇やパートナーシップ支援制度などの新たな人事制度を策定。法令遵守や安全衛生面でのセーフティネットでありつつも、思い切り仕事で挑戦できるよう労務観点で主体的に仕掛ける、攻守バランスのとれたチームを目指して日々奮闘中。一児の母。
──妊娠前から出産直後までフォローする制度を独自に作ることにした理由は?
出産・育児や介護も踏まえた「多様な家族」を持つメンバーが、安心して仕事に挑戦できる環境を作るためにどうするかを会社として考えていく中、従業員の半数以上を占める、新たに子供を授かるであろう世代のメンバーに対しての支援策が現状は必要でした。
そこで、まずは妊娠・出産にまつわる制度づくりに取り組むことになったんです。
──ナイルでは、法定の産前・産後・育児休業に加えて、時短勤務や「キッズケア休暇(※)」といった制度があって、子育てをしている人に向けた制度はすでに充実していました。
ただ一方で、不妊の検査や治療をする人が増えているなど、妊活についての報道が多くなされているものの、ナイルではそのあたりをフォローする制度はなく、今後取り組んでいきたいテーマとして労務では認識していました。
人事本部のメンバーとも「妊娠する前や、出産する前の人たちに対して、手厚いフォローができたらいいよね」と話す機会があって、そこからどんどん制度化に進んだ形です。
※キッズケア休暇…小学校卒業までの子の病気や怪我の世話、予防接種や健康診断受診、療育のために、有給休暇とは別に1年に5日(子が2名以上の場合は10日)まで取得できる、有給扱いの特別休暇。
──メンバーから何か要望があったのでしょうか?
妊活というと、なかなか家族以外の人には言えない空気もあるからか、社内からそういう制度が欲しいという要望があったわけではないんです。
ただ、労務まで声は届いていないけれど、困っていたり、たいへんな思いをしていたりする人たちは多くいただろうなと思います。
妊娠前だけでなく、妊娠した後はつわりが酷い人もいますし、おなかが大きくなるにつれて妊婦検診の回数も増えていくので、体だけでなく精神的にも負担が大きいですから。
──確かにそうですね。さらにこの制度は、女性だけでなくパートナーも対象になっているのもポイントです。
はい、パートナーの場合は、出産前なら通院の付き添い、出産後は役所への手続きのために使われているケースが多いです。
出産直後はやることも多くなるので、育休までは取らないけど、出産サポート休暇を使うという人もいるでしょうし、出産サポート休暇と法定の育休を組み合わせて取る人もいますので、そのあたりはうまく制度を活用してもらえたらと思っています。
妊休や出産サポート休暇は、上の子の世話のために活用することもできます。
──「妊休パッケージ」というと、休暇を取る人にフォーカスが当たりがちですが、ここでは休暇取得者の業務をフォローするチームメンバーへのインセンティブ支給もセットなのが新しいですよね。
休暇を取るメンバーがいるということは、その人の業務をフォローするメンバーもいるわけですから、その負担は無視できないと思うんです。
段階的に業務を引き継ぐ余裕があるといいかもしれませんが、突然休むことが決まって、すぐにその人の業務を誰かが巻き取らないといけないこともあるかもしれませんし。
──これまでも、何かしらの理由で他メンバーの業務をフォローした場合は、査定時にそれ相応の評価が加味されていますが、このように制度化されることで、休暇を取得する人も後ろめたさを感じずに休むことができて良いという声もあります。
そうですね。労務だけではなくHRBPとも相談して、休暇を取る人が安心して休むことができて、業務をサポートする人も快く送り出せる形にするなら、妊休のパッケージとしていっしょにしようという話になりました。
実際の支給額は、それぞれのケースでフォローするメンバーへの負荷が違いますので、各部署で相応の金額を決めてもらうことになっています。
──さんきゅうインセンティブの「さんきゅう」は「産休」と「Thank you」をかけてひらがなに…?
はい(笑)。いろいろ案はあったんですが、わかりやすいワードがいいということで「さんきゅう」になりました。
──今回は、子供を持つ世代のメンバーが多いことから妊娠・出産にフォーカスした制度ができましたが、今後もそのときのメンバーのライフステージや状況に応じた制度を検討していくのでしょうか?
妊休パッケージによって、妊娠前から育児をしているメンバーに向けたサポート制度を充実させることができたので、次はやはり介護にフォーカスしたいと考えています。
親の介護だけでなく、パ―トナーや子供を介護するケースもあるかもしれませんので、決して年齢が若いから縁がないものではないと思っていて。
さらに、育児は一旦終わりが見えやすいですが、介護は終わりが見えるものではありません。
それに会社としてどう寄り添うかも、考えていかないといけない課題ですね。
※本記事は2024年6月7日に公開しており、記載情報は現在と異なる場合がございます。