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集客最大化が顧客成果とは限らない。“SEOを売らない”SEOセールスの流儀

ナイルのデジタルマーケティング事業部(以下、DGM)には、Webサイト集客や改善に悩むお客様からの問い合わせが日々舞い込んできます。その最初の相談窓口となるのがアカウントセールス。SEO改善を期待して相談してきたお客様に対し、ヒアリングの結果、別の提案をすることも多いそうです。若手セールスの2人にその理由をたずねました。

竹内 郁弥(たけうち ふみや)(写真左)
ナイル株式会社
デジタルマーケティング事業部 セールスユニット アカウントセールス
2018年新卒入社。SEOコンサルとして1年ほど従事し、セールスへ。コンサル時代の経験を活かし、お客様の課題感に合わせたプランニングや成果につながる本質的な提案を心がける。好きなものはグミ。

久保 瞭也(くぼ りょうや)(写真右)
ナイル株式会社
デジタルマーケティング事業部 セールスユニット アカウントセールス
慶応義塾大学卒。2年に及ぶインターン経験を経て2019年新卒入社。コンサルタントを約1年半経験した後、営業にジョブチェンジ。コンサル時代に人材・金融・メーカーなど幅広い業界で30社以上のクライアントを担当。SEOを主軸にコンテンツ制作や分析改善などクライアントの課題解決に繋がる提案を得意とする。趣味はお笑い鑑賞(東京03・ダイアン・オズワルドが好き)。

「これはSEOじゃない」ってコトはあるある

――2人とも新卒入社ですよね。はじめからセールス希望だったんですか?

久保:最初は受注後の施策を担当するコンサルティングユニットにいました。インターン時代から実務に携わっていて、新卒入社後もしばらくはコンサル業務をしていました。ただ、自分が事業部に貢献できることはなにかを考えた時、当時の売上状況やメンバー層的に営業組織はまだまだ伸びしろがあるなと思ったので、営業に行こうと決めました。

あと、もともと代表や先輩社員から「久保は営業に向いてるよ」と言われていたこともあり、安直ですが自分も活躍できるんじゃないかと思ったんです(笑)。すぐに上司に掛け合い、2019年の7月にセールスユニットへ異動しました。

竹内:私の場合は、将来的に営業を経験してみたいと考えていたものの、その当時は営業に異動することを考えていませんでした。ただ、事業部内で体制変更があったタイミングで営業異動への打診をうけ、ぜひ挑戦したいと即答し、久保くんと同じ2019年7月に異動しました。

――営業に対し、どのような印象を持っていましたか。

竹内:コンサルをしていたときの印象としては、ナイルのセールスの役割はクライアント様とコンサルの橋渡し役でした。自身の経験からもなんですが、営業時点で必要な情報をヒアリングできているのか、懸念をお伝えできているのか、関係性を築けているのかどうかでプロジェクトの成否も変わると思っていました。

久保:体育会的なゴリゴリの営業ではないとは思いつつ、一方で、無茶してでも案件を引っ張ってくるような感じなのかなと思っていました。なんだかんだ、一般的にイメージされる営業のやり方とそこまで変わらないのではないかと。

――実際にやってみてどうでしたか。

竹内:橋渡し役は想像通りでした。ただ、セールスが関わる領域の広さには驚きましたね。ヒアリングはSEOの取り組みやWebサイトの中だけに留まらず、クライアントの組織体制などにも及びますし、クライアント担当者の方と一緒に上司への提案資料を作ることもあります。お客様の成果をあげるために必要なこと・できることを広く考えて、動くことが求められましたね。

久保:想像とは違っていました。驚いたのは、お客様の課題や求めている成果次第では、SEOを提案しないことも多いですし、場合によっては、ナイルよりも課題解決にあたって最適だと思う別の会社を紹介することもあります

商談では、お客様のビジネス課題やこれまでの取り組み、理想の状態などのヒアリングがメインで、SEOの話をほぼしないことさえあります。SEOをやりたいお客様に、その通り提案するだけでは不十分で、「本当にSEOに取り組むべきかを考え、それがベストであるとお客様と互いに納得した上で提案する」というのをナイルが大切にしていると知りました。

あくまでお客様の事業成長に貢献することが目的なので、それに応じた提案をしているということですね。

竹内:「このお客様の課題はSEOじゃない」っていうのは、あるあるです(笑)。

集客の先にある「着地点」を一緒に考える

――ナイルに相談するお客様は、SEOをどのように捉えているのですか。

久保:さまざまなケースがありますが、「とにかくビッグキーワード単体の検索順位を上げれば良い!」みたいなお客様は減っている一方で、「とりあえずWebサイトへの集客を増やせば、その分売上も伸びる」と考えている方はまだまだ多いですね。

竹内:サイトの集客と売上って相関性があるように思えますが、実はそんなに単純な話ではありません。Webサイト上で商品購入や成約につなげるには、お客様のビジネスにつながるユーザーに来てもらう必要があり、単にPVが増えたとしても本当に集めたいユーザーからズレていると成果には結びつきません。

単純に集客数を増やすという数値目標を追っていくことに意識が向いてしまっていると、ユーザー視点が抜けてしまうことがあります

久保:特にWebだけで完結しないビジネスでは、問い合わせ後のフローまで考える必要があります。B to Bのお客様によくあるケースとして、Web集客が上手くいって問い合わせは増えたけど、実態は契約につながらないものばかりで、かえって営業の工数が増えてしまうこともあるので。

ナイルはSEOが強みということもあり、Web集客を強化したいお客様からのお問い合わせが多いです。ただ、それに対してすぐに集客面を改善しましょうという話をするのではなく、現状の集客から受注までの流れを見た時に、本当に集客がボトルネックになっているか、他にもっと改善インパクトが大きいポイントはないかを考えるようにしています。

竹内:単純に流入を増やすのではなく、「御社の顧客に繋がるのってこういうユーザーですよね」と、狭くてもいいので狙った層に届くことの重要性をお話しすると納得いただけることが多いです。

でも、今お伝えしたことは正直なことを言うと私たちの利益には直結しないんです。 集客だけにフォーカスし、とにかく広い層にリーチできるようにコンテンツを作って集客増やしましょうと提案すれば、一時的な自社(ナイル)の売上には繋がります。ただ、お客様のビジネスゴールを費用対効果もふまえて検討して「これはやる必要はありません」とお伝えすることが、お客様からの信頼につながっていると思います。

一緒に走っていく覚悟を促すのが私たちの役目

――ここまでの話を聞いていると、コンサル経験がないと営業活動も難しそうですね。

竹内:そうですね。実際、コンサル経験が活きるシーンが多く、いきなり営業になるのはちょっと想像がつかないです(笑)。打ち合わせの場でプロジェクト成功のためにあるべき体制であったり、SEOの悩まれている点を壁打ちできるのは経験があったからこそだと思います。こうした点は、新卒で社会人経験が少ない自分たちでも信頼してもらえている理由になっているのかなと。

久保:コンサルをやっていたからこそ、お客様の組織体制や課題感を聞いていく中で、ナイルに何を求めているのか、どんな関わり方をしたら喜ばれるのかを思い浮かべられますし、お客様の疑問にも過去の経験をもとに回答できていると思います。

――同じことを伝えるにしても、納得感や具体性が違いそうですね。

久保:そうですね。SEO目的でコンテンツ作ったけど思ったほど流入が伸びないなど、お客様が抱えている悩みはコンサルの時に身をもって体験しているので、共感しやすいですね。

竹内:実際に自分自身がやっていたからこそ、ジブンゴトとして捉えられることはありますね。

それから、ひとえにSEOといっても業界ごとやWebサイトごとに特有の考慮すべきポイントがあります。コンサル経験から勘所が働くので、お客様と初めてお会いするタイミングで業界特有のポイントをお話できると「そうそう、そこが悩むのよね!」とその後の流れもスムーズに進むことが多いですね。

久保:お客様と関係を築くうえで、適切な期待値調整をすることはすごく大事で。プロジェクトを進めていく中で、ここはつまずきやすい、この施策は効果が出るまでに時間がかかる、といったことなど事前に提示しておく必要があります。その点をご納得いただいてから契約し、コンサルにパスするのがセールスの役割だと考えています。

竹内:営業として意識している点は、お客様の御用聞きにならないことですね。お客様が言うからと何でもやりますスタンスで受注してしまうと、実際の施策をするコンサルは「成果に繋がらないのに、なぜこの施策をしないといけないの?」となってしまうし、お客様も「全然成果につながってない」とお互いにアンハッピーな状況になってしまいます。

単なる御用聞き営業ではなく、パートナーとして目標達成に向けて一緒に伴走する覚悟を促すことも私たち営業の務めだと思っています

「ナイルなしでもやっていける状態に導く」のが最終ゴール

――ナイルのコンサルティングのゴールは何だと考えていますか?

竹内:“ナイルがいなくても大丈夫”という状態です。お取引が続くこと自体は嬉しいですが、私たちがコンサルとして入り続けていないとダメという状態が続くのは健全ではないと考えています。お客様にSEOを理解していただき、自分たちでWebマーケティングができる体制・知見がある状態に導くことがゴールですね。

久保「最終的にはナイルから卒業するのがゴールです」と最初の段階でお伝えすることもあります。あくまでお客様の事業成長に貢献することが目的なので、長期的に目指す姿はそこだと思います。

竹内:ナイルには、お客様、その先のユーザーのことを考えて行動できる人が向いていると思います。営業というと売上成績を最優先にする人もいるけれど、数字を取るためにお客様にとって最適ではない提案をしてしまうと、結局信頼を損ねてしまうことになりかねません。社内を見てみてもお客様に対して真摯に向き合っている人であるほど活躍している気がします。

――最後に、今後の抱負を教えてください。

久保:私たちは「コンサルからセールス」というキャリアパスの1期生。この仕組みが正解だったかどうかは、今後の自分たちの活躍にかかっています。また、今後組織が拡大していくにつれて、自分たちと同じキャリアをたどる人も増えると思います。自分がもっと成長して成果を上げていくことはもちろん、これまでの成功・失敗経験をもとに、後から入ってくるメンバーが活躍できる仕組みづくりの面でも貢献したいです。

竹内:そうですね。今後、事業部内でのセールスの存在感をもっともっと上げていきたいです。そして、コンサルタントが「セールスに行きたい!」と憧れるような仕事・チームにしていきたいですね

久保:自分たちセールスチームは、デジマの進化を左右する存在だと思っています。今は「SEO・コンテンツ・データ分析」の3本柱を強みにしていますが、事業として成し遂げたいミッションを見据えるとそれだけでは足りません。既存の3本柱をさらに磨きつつ、新たな強みを増やして、ゆくゆくはお客様に向けて総合的なソリューション提案ができる会社にしたいので、そのためにも、まずは自分が成長しないと!と思っています。

※本記事は2020年3月27日に公開しており、記載情報は現在と異なる場合がございます。