仕事に熱中できる環境にしたい。「全員企画・全員自走」を目指す事業部長の思い
アプリ紹介メディア「Appliv」や電子コミックストア「Applivマンガ」を提供するスマートフォンメディア事業部で、新たなメディア責任者を選抜するコンペが始まりました。
このコンペは、新規メディアのテーマとその責任者を立候補で募り、3ヵ月後に社内で行われるビジネスプランのプレゼンテーションに向けて事業部長の高階さんと個別に1on1を繰り返していく形で進みます。プレゼンの優勝者がメディア責任者に就任し、実際に事業を創っていきます。
今回は採用広報の五木田が事業部長の高階 良輔さんに、このようなコンペを企画した背景や目指したい組織像について話を聞いてみます。
目次
職種に関係なく「全員企画・全員自走」できる組織を目指す
―― 今回、このような取組みを行うことになった背景を教えてください。
高階:どんな事業や職種でも、目の前の仕事に集中すればするほど視野が狭くなってしまうんですよね。ApplivのようなBtoCサービスの場合はユーザーばかりに目が行きがちになるんです。
基本的にサービスはユーザーのことを考えて作るのは当たり前なのでそれはそれで良いのですが、ビジネスモデルを考えるときにはもう少し多角的に考える必要があります。市場の規模や将来性、競合、投資計画などビジネスを成功させる上で検討しなければならないことはやっぱりたくさんあって、色んな視点から、時間軸も踏まえて1つのサービスを見ることによって、そのビジネスの全体像や将来像が見えてきます。
そして俯瞰して事業を見られるようになるということは、事業企画や開発などの立ち上げフェーズだけでなく、サービスグロースしていくための拡大フェーズでも、とても価値があることだと思っています。そういう人が事業部の中にどれだけ作れるか、それが今後作って行きたい組織の屋台骨になると思って今回はビジネスプランと責任者を公募してみることにしました。
―― スマートフォンメディア事業部は最近、組織体制が変わりましたよね。
高階:2018年の事業運営のコンセプトは「全員企画・全員自走」です。これまではサービスの責任者がトップダウンで企画をし、エンジニアやデザイナーなど職種ごとのチームで動いていました。「指示を出す側」と「指示を受ける側」という構図があったのです。これはこれで成立していて増収増益だったのですが、よりスピーディーかつ同時多発的にPDCAを回せるような組織にするためには事業方針の転換が必要だと考えました。
そこで、「開発室」「制作室」といった職能別で分けていた体制を撤廃し、現在は「プロジェクト型組織」を目指しています。各メディアの目標達成に向けて同じ課題感を持つメンバーが1つのプロジェクトに集まり、全員が企画をして自律自走でやっていく形です。そこにエンジニアや営業といった職種は関係ありません。
―― どうしてこのような形に変更したのですか?
高階:役割が人に固着化すると役割以外の責任に対して傍観者になったり、他責思考になったりしがちなんですよね。「これだけやっていれば自分の仕事は終わり」ではなくチームの目標や課題に対して全員が当事者意識を持って行動できる。これを個人ではなくチームで実現するためにプロジェクト制という有機的な組織体制を導入しました。
課題や解決の機会を発見した人が提議して、課題に賛同する人たちが集まってチームが組成され、そこに予算がつけられて目標を達成したら解散する。そんな柔軟で自律した組織が自分が目指す理想の組織なんです。
なので、この事業部で求めているのは専門スキルを突き詰めたい人ではなく、そのスキルをサービスグロースさせるための「手段」として考えられている人です。事業を成功させるために自分が持っているスキルを有効活用する。そんな思考を持つ人を増やしたいと考えています。
事業部長自らが1on1に時間を割くことの価値とは
―― そういった組織を目指すために、今回のビジコンも1on1をはさみながらコンペ形式を取ることにしたのでしょうか?
高階:そうですね。現在参加者は6人いますが、1on1ではビジネスプランについてボコボコにフィードバックしているので正直「やべえやつに参加しちゃったな」と思っている人もいると思います(笑)。営業や編集者など普段はビジネスプラン立案に近しくない職種の参加者もいますし、みんな結構苦戦していますね。ですがこれまでの社内の事業立ち上げにおいて培ってきた成功や失敗の経験から事業企画の段取りやフレームワークは整理できているので、1on1で徹底的にフィードバックができれば最低限のツボは押さえられると思っています。
―― 高階さんの予定を見たら、ある週は1on1の予定が1週間で10件以上もありましたよ。1回30分。さすがに多すぎませんか(笑)?
高階:このコンペの参加者以外に事業部内のマネージャーとも1on1はしているので、たしかに多いですね。でも職種に関係なく事業責任者の視点でビジネスモデルを考えられる人が増えるのは、事業部にとって価値があること。事業部長としてそこに時間を割く価値も十分にあると思っています。
提供された環境をどう活用できるか
―― 現場視点からいくと、正直「目の前の業務がいっぱいで、挑戦する余裕はない…」と思ってしまう社員も少なくないと思います。
高階:「自律自走型の組織を目指したい」という方向性はありつつも、事業部長としてできることには限界があると思っています。自分ができるのは、「挑戦できる機会を創ること」「決裁権を与えること」「情報の透明性を担保すること」までです。その環境があった上で挑戦するしないは、その人次第。できない言い訳を探してしまうのはやはり、その人自身の甘えだと思っています。大きな仕事ができる人によりインパクトのある仕事を任せていくのはビジネスの基本ですよね。
「熱中できる仕事」 にコミットできる環境を作る
―― 今後の展望を教えてください。
高階:ナイルには、会社のミッションやビジョンに共感して入ってきてくれる人が多いです。ただ、100%コミットしているつもりでも「これって自分が最終的にやりたいことなんだっけ?」と思っている人も一定数いるんじゃないかと思っているんですよね。でもそういう「もやもや」が出てこない環境を作りたい。会社のビジョンに共感できて、自分がやりたい領域に挑戦できて、決裁権もあって、会社が投資もしてくれる。こんな環境だったら言い逃れできないじゃないですか(笑)。
自分がやりたい領域がある人を応援できる環境にしたいし、そこにフルコミットできる体制にしていきたいです。逆にやりたいことが見えていない人たちでも、事業の領域がどんどん広がれば自分が熱中できそうな方向性が見えてくるかもしれないですし、そんな領域を見つけたときには異動しやすい環境を作っておきたいんです。やっぱり各々が楽しめる仕事をしているのが一番ですからね!
そんな組織を目指すために、新規サービスは1年から1年半に1つは立ち上げていきたいと考えています。このコンペも次回は全社を対象に公募するつもりです。
今後の懸念があるとすれば…仮に10人とか15人とか立候補が出てきたときに、自分の仕事がその人たちとの1on1だけになっちゃうかもしれないことですね(笑)。
―― その場合は初回参加者がメンターになったりすればいいかもしれないですね!
高階:たしかに。それは本当にそれくらい立候補者が増えたときに考えよう(笑)。
※本記事は2018年8月22日に公開しており、記載情報は現在と異なる場合がございます。
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