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縦の「1on1」と横の「コミュニティ」で編む組織、軸となるのは共通言語としての「事業戦略シート」

ナイルのメディアテクノロジー事業部は、2020年1月から経営課題と解決する事業本部と、事業成長を推進する事業部で分業を行う「事業本部制」で組織運営を行っています。今回は事業本部PMOとして横断での事業企画運営や組織作りを推進する小森谷に話を聞きました。

小森谷 有紀(こもりや ゆき)
ナイル株式会社
メディアテクノロジー事業本部 PMO
2000年代前半に外資系ポータルサイトの速報サービスのエディターを担当したのち、大手通信キャリアのグループ会社にてモバイルメディア黎明期の立ち上げから拡大フェーズを経験。2019年にナイルに入社。メディアテクノロジー事業本部では、さまざまな部門横断施策を推進。

カオスなプロジェクトの交通整理を行う「何でも屋」

――小森谷さんのお仕事について教えてください。

私の所属するメディアテクノロジー事業本部(以下、MT事業)ではその中に4つの事業部があり、6つのプロダクトを運営しています。MT事業の組織体制であるプロジェクト型組織は、役割の垣根を越えて一体となりやすい一方、マネジメントやチームの力量がパフォーマンスに大きな影響を与えます。

そこで事業部内でのプロジェクトマネジメントの標準化や人材開発などを通じ、組織全体をバックアップしていくのが、私の役割であるPMO(Project Management Office)の仕事です。各事業部の動きを俯瞰しながら、事業成長につながる共通の施策を進めている何でも屋ともいえるかもしれません。

――ナイル入社以前はどのような仕事をしていたのですか。

時代の波に飲まれつつ、紙媒体からポータルサイト、モバイルメディアに流れて様々な情報の流通に携わってきました。その過程でサービス企画や事業企画、組織開発に至るまで多様な経験をしましたが、どの仕事も混沌とした情報を整理して方向性を定めるという意味では、編集力で乗り切ってきた感があります。

特に前職では、社員数30人程度のベンチャーだった頃から、500人規模になるまでの移り変わりを見てきました。事業規模が拡大して組織の機能や役割も変わっていく中で、その時々のニーズに応え続けていった結果、自分のキャリアも築かれていったという感じです。

――カオスなプロジェクトでは必ず声がかかるって、採用面接のときも話していましたね(笑)。

私自身は俯瞰するポジションが、もっとも能力を発揮できるのかなと思っています。ガンガン前に突き進んでいく人の一歩後ろで、火消しや球拾いをしながら後方支援するような(笑)。当時の上司もそのあたりの特性を鑑みながら、配置していたのだと思います。プロジェクトワークではいろんな人がいますが、一緒に進めていく過程で関係も構築できると認識しています。

戦略設計スキルの底上げと平準化を目的とした「事業戦略シート」

――ナイルに入社してからはどのようなことに取り組んでいるのですか。

前任からPMO業務を引き継ぐと同時に、OKRの安定的な運用やフルコミット集団の醸成など、MT事業としての課題を入社時に提示されました。これらに対し、既にあるものを活かしながら、コミュニケーションを設計し直したりする形で実現をめざしています。

今の時点で特に力を入れているのが、事業部全体を通じた標準化と共通言語の設定です。入社して数カ月でそれぞれの事業部の情報に触れながら「ハイコンテクストな組織だな」と感じたんですよね。そこで共通の「型」というか「器」のようなものを作ろうと考えました。

――例えばどのようなものですか?

今年に入って運用している「事業戦略シート」です。事業本部で今年の第1Qの注力課題に挙げていた「戦略設計スキルの向上」の一環として取り組んだものです。ナイルでは四半期ごとにOKRを設定して目標管理をしていますが、その前提となるのが事業戦略です。

戦略設計スキル向上を目的に作った「事業戦略シート」
 

これまでの事業戦略は書式や体裁も含めて、作成者が自由に書いていました。その中で最も充実した内容の戦略を構造分解し、一般的な項目に落とし込んで、そこにさらにCEOの高階が項目を追加していく感じでバージョンアップして、どの事業部やプロダクトでも使えるフォーマットを作成しました。

シートはあらかじめ項目が設けられているので、入力する事業責任者は、頭の中の整理や戦略立案に集中できます。作成されたシートはOKR設定の時にはもちろん、社内会議で事業戦略を説明するとき、新しいメンバーに事業や組織のめざす姿を解説するときなどに使われています。

――いろんな使われ方をしているんですね。

想定していた以上に、みんなの拠り所になっている気がします。特に、他部門から問合せを受けた時に「ここをみてください」で済むことが増えました。他の事業部の動きや目指していることが大まかでも理解しやすくなって、議論しやすくなった側面もあると思います

もちろんフォーマットは一度つくって完成ということはなく、反応を見ながら調整をかけています。2月からはOKR設定時に「1年後の状態」を設けることを決めています。四半期で動いている分、OKRに終始すると短期視点になりがちなので。OKRを設定するごとに、1年後の状態も更新しています。

縦の意思疎通を促す「1on1」と横の繋がりを生む「事業家浸透プロジェクト」

――確かに共通の拠り所となるものがあると、理解も違ってきますよね。

そうなんです。しかしツールの整備だけでは足りません。特にMT事業はプロダクトごとに独立したチーム構成なので、そのままだと横の連携が弱くなってしまいます。けれどもつながりって意外と大事なんですよね。ある事業部の課題について、ほかの事業部でも同じことで悩んでいたといったこともありますから。相互理解を促してコラボレーションを図る仕組みをつくるのもPMOの役割だと考えています。

コミュニティ設計は事業部やプロダクト単位の縦軸に、事業部横断の横軸を通して、相乗効果を図るようなイメージです。プロジェクトマネージャー(PM)を例に挙げると、OKRやスクラムなど、所属するチームが縦軸のコミュニティだとしたら、PM研究会は横軸のコミュニティです。研究会では現場のPMが集まり、それぞれのノウハウを共有し合う場になっています。これまで相談相手といったら上司に限られていたところに新しい広がりが生まれています。

各組織施策の位置づけ

――横軸にある「事業家浸透施策」というのは?

ナイルは事業家集団を謳っていて、13の行動指針を設けています。昨年末には「事業家ガイドブック」が全社員に配られ、読むだけでなく考える機会があったらいいなとワークショップの開催を思い立ちました。MT事業横断で実施することで、他の事業部の社員との交流も生まれると考えたからです。

 

事業家ガイドブック浸透ワークショップ資料
 

期間はおよそ半年間で、手法は試行錯誤しながら進めています。4月から6月にかけては、自分の事業家資質を見つけるところから始め、資質を活かす・育てる、そしてMT事業として大切にしたい資質を考える、という流れを設計することで、自分の内面から組織へと視点を徐々に移していくことを重視しました。自分ごとになっていない状態で組織の話に入ると、表面的な議論で終わってしまうからです。前職での経験もあって、現場と目線を揃えることを大切にしています。

――これまでの反応はいかがですか?

ワークショップの内容は、当日の模様やアンケートなども見ながら調整しています。例えば3月は新型コロナウイルス感染症の影響で全社でリモート勤務を始めた頃と重なりました。行動指針のひとつ「変化を楽しむ」と合わせて、急な働き方の変化をどのように楽しみ、パフォーマンスを発揮していくか意見を出し合いました。また4月はペアワークでインタビューをするなど、自分の体験や感情、価値観を語り、周りがフィードバックする機会を設けました。あまり知らないメンバーと話せてよかった、他の人に指摘されて自分の意外な一面に気づいたなど、アンケートでもいろんな反応が見られました。

――1on1は、縦と横の両軸がありますね。

事業本部では2Qの注力課題に、マネジメント力の強化を挙げています。特に1on1は、個人のコミュニケーション力によって展開にバラつきがあり、効果もまちまちでした。メンバーにアンケートをとったところ「何について」「どう話せばいいか」よく分からないという声が上がりました。メンバーに限らずマネージャーも同じ悩みを抱えていて、うまく機能しない原因のひとつだと考えられます。

1on1研修で使用したグループワークシート
 

そこで1on1が報告や雑談で終わらず、パフォーマンスにつながる対話の場になるように、テコ入れを図ることにしました。6月には外部パートナーと共にオンラインで研修実施しまして、まずは1on1の目的に関する認識合わせをワーク形式で行いました。スプレッドシートに書き込みながら進める中で、認識の合っている部分やばらつきのある部分が見えてくるのがとても興味深かったです。この施策を軸にマネージャーの横のコミュニティも作りたいですね。

――確かに1on1って難しいですよね。対話は生き物だから、ノウハウはあってもうまく当てはめられないケースは多そうです。

認識を揃えることが大切なんですよね。何のために1on1をやるのか、何を話すか、どう話すか。また単発の研修で終わらせず、1on1スキル向上につながる継続的な仕組みや、フレームの開発などを企画しているところです。それから認識を揃える仕掛けのひとつとして、定例ミーティングの関係性を整理しました。

具体的には、週明けのOKRミーティングで1週間の目標を設定し、スクラム会議で開発チームとしてのアクションを確認、週ナカの1on1で個人のパフォーマンスをケアして、週末のWin セッションで成果を共有、というサイクルの確立です。週の終わりに「今週もがんばった!」といったん区切って、また次の週から新たにチャレンジするというリズム感を大切にしたいと思っています。

――それぞれの会議体に、つながりを持たせたのですね。

ほかの施策にもいえることですが、断片的にやっていると成果も単発的になりがちなので、施策に関連性を持たせることで、相乗効果を狙っています。1on1とほかのミーティングとの関係性の整理は、実は2月に会議の棚卸しを行ったことにに端を発しています。決める会議、伝える会議、つながる会議、生み出す会議の4種類に分類しました。会議も位置づけと関連性を明確にすると、それぞれの会議の輪郭がはっきりしますし、また文脈がつながって会話の質も変わっていって、いい流れができるのではないかなと思うんですよね。

メンバーが楽しく働き、パフォーマンスを発揮できる器を作りたい

――OKRによる目標管理もMT事業部で先行して導入し、その後全社展開になりました。いま小森谷さんが取り組まれている施策も、のちのち全社に広まっていきそうですね。

ナイルが変化を厭わない組織ということは、この半年で実感しています。プロジェクトワークひとつ見ても、1週間でどんどん変わっていくし。事業家資質のワークショップも、NNX(Nyle Next X:次世代経営幹部育成を目的としたナイル独自の制度)で経営会議中に提案したのがきっかけでした。

私の今の仕事って、器づくりなのかなと。何もないと組織はバラバラになってしまうし、ガチガチな型では息苦しくなってしまう。器は型とはまた違って、何をどのように盛り付けるかは使い手に任されます。器によって得られる自由もあるはずで、むしろ自由に動くための器になればいいと思っています。

――器をつくっていくうえで、最も大切にしていることは何でしょう。

“楽しい”という気持ちを味わえるような設計ですね。特に横軸の施策はここを強く意識しています。はじめは斜に構えていても、やってみると「何これ!超たのしい!」って思ってもらえたら最高ですね!10%プロジェクト(業務時間の10%を通常業務以外の本部横断施策に立候補して参加するプロジェクト)は、あまり異動がなく仕事がマンネリ化しがちな人にとっても、新鮮でワクワクする時間になるといいし、PM研究会は同じ役割の人同士で語り合うことで、学びや気づきなどたくさんの刺激を受ける場にしていきたいと考えています。

同じ仕事で同じ状況下にあっても、楽しいと感じられるか、辛いと思うのかでパフォーマンスはまったく変わってくるはずです。私自身両方を経験し、やっぱり楽しいときのほうがピンチも乗り越えられたし、成果にもつながっていました。そして気分や空気は、場のつくり方次第なところもあります。

人は気持ちがポジティブなときに、パフォーマンスや創造性が最も発揮されるものです。組織全体がそうした場になるように、これからもいろいろ仕掛けていきます!

終わりに:ナイルでは一緒に事業を創る仲間を募集してます!

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